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大阪地下鉄

関連報

第1巻第1号]大阪の高速度交通機関 本年から工事にかかる 地下線が実現するのは五年後
大阪府]大阪市下高速地下鉄道の工事、都市計画幹線(註:御堂筋)の建設にあわせて同時に着工する? 梅田−難波−恵比須町、玉造−築港に至る2線。
第2巻第1号]大阪市の高速地下鉄道案の其後
大阪府第1巻第1号報の大阪市地下鉄の続報。現在は40万円の調査費で現地調査中。やや詳細な計画案あり。
第2巻第12号]大阪市地下鉄
大阪府]地質調査が進行中。地下50尺位に軟弱層があり、砂利・粘土などが200尺以下まで互層。
第4巻第12号]地下鉄の一問題
道路占用料は道路法第28条により1坪10円〜20円を徴収し得ることになっているが、現在徴収しているものは路面の占用のみで、道路の地下を占用するものに対しては徴収していない。しかるに近年の地下利用はますます増加する傾向で、内務省土木局ではそれらに対し占用料を徴収することが適法なのか否かを研究中であった。その結果「地上・地下に関わらず道路を占用するものに対しては道路法第28条の規定を適用すべきものである」ということに決定した。
第4巻第9号]大阪市高速地下鉄道
大阪府]第一期線12マイルについて、梅田より我孫子に至る工費7800万円を西田辺までで打ち切る市会修正決議案に対し、郊外住民大反対。第2巻第1号第2巻第12号第3巻第4号に関連報。
第5巻第2号]大阪の地下鉄地下商店街
大阪府]大阪市の地下高速鉄道(第2巻第1号第2巻第12号第3巻第4号第4巻第9号に関連報)は近く梅田の地下停車場が起工され、昭和6年には完成されるはず。目下竣工近くなっている梅田の阪急ビルディングの西南角地下は省線大阪駅への出入りや向かいの阪神ビルの連絡などにも一役買うので、この地下街の両側に立派な地下商店街を作ろうという案が研究されている。(大阪市電気局)
第6巻第11号]世界にも稀な理想的換気装置を採用か
大阪府]大阪市高速度地下鉄の換気装置について、最新・最良の方法が目下考究されつつある。元来地下鉄の換気に採用されているのは(1)ピストン・アクションと称するもの/電車をピストンに見立ててトンネル内の空気の自然換気を行なうもの。ドイツ・ベルリンの地下鉄はこのシステムを採用しているが、大阪市のように塵埃の都市では到底これを採用することができない。(2)機械的換気装置。これには吹込式(ブローイン)と排気式(エクゾースト式)とがある。大阪市当局の採用しようとしているのはこの両式を併用するバランス・システムとも称すべきもの。人の蝟集する停車場には新鮮な空気を送るファンを装置し、停車場間は排気装置を行なおうとするもので、このような仕組みは世界いずれの地下鉄にも見られない。換気に要するファンは市当局で慎重に研究選定中だが、設計も今年中には完成の見込みである。
第6巻第3号大阪地下鉄 地鎮祭挙行
大阪府]1月23日大阪市高速地下鉄道の大阪駅地下ステーション工事の地鎮祭を挙行。当日は大阪市電高速鉄道課長清水技師、鉄道省大阪改良事務所長木村技師などが玉串を捧げた。工費200万円、2月起工、昭和6年竣工予定。(第2巻第1号第2巻第12号第3巻第4号第4巻第9号第5巻第2号関連報)
第6巻第4号]起工された大阪市地下鉄
大阪府]2月29日起工式を挙行した大阪市高速電気軌道の地下鉄工事について。工法は路面開削式だが河底を横貫する個所も多く、地盤の関係からも東京地下鉄道の工事とは異なる施行も行なわれる。(第6巻第5号「大阪市高速道電鉄の地下鉄工事概要」http//library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/06-05/06-05-1232.pdf 参照)
第6巻第4号]鉄矢板で傾斜を防ぐ
大阪府]大阪市都市計画による地下鉄道工事は各方面から付近の高層建築にとって危険であるとの指摘がやかましくされている。市技術者連においても最善の方法が考究され、例えば淀屋橋本町間の東側にある日本生命会社の同建物(直接地下道に面しているのと奥行きが薄いのにその側面地下を50尺も掘り下げるので傾斜する危険が高いとされた)については、片岡安氏らと相談の結果、長尺の鉄矢板(少なくとも60尺以上)を打って建物の傾斜を防ぐことに。なお同地方の土壌は全体的に脆弱で高層建物の建築基礎工事にはよほどの注意を要する。
第6巻第6号大阪地下鉄矢板工事
大阪府第6巻第4号の大阪市高速鉄道工事について。大林組の手で始められた工事に近くパイル打ち込み用の機械6台が到着するはず。同機の能力は一日約3枚から100枚以上のパイルを打ち込むもの。市高速鉄道の梅田駅北手の工事では一日約100枚ずつを打ち込んでいる。もっともこのパイルの枚数の差異は地盤の強弱にもよる(はじめの一打で1インチを打ち込み、次に約1フィート、続いて5フィートという順序で打ち込む)が淀屋橋、御堂筋の地盤は梅田方面と比較してとても硬く、たとえ1インチ打ち込んでも次もやはり1インチと徐々にしか打ち込めないらしく、現在では1日約12枚くらいしか打ち込めない模様。また同工事のいま一つの難関としては堂島川、土佐堀川の2大河川を潜らねばならない。東京地下鉄の万世橋下を通した時は鉄船の大きなものを河底に沈下して水を半分ずつせき止める方法をとったが、これは水圧のために破壊されるおそれがある。もっとも進歩したやり方としては圧搾空気を利用して非常に強大な力で地中へ蒲鉾形に削入しトンネルを掘るものであるが、同機は100万円を要し採用は到底覚束ないと思われる。多少危険を伴うが前者の方法を採用する見込み。
第6巻第7号]大阪市の高速鉄道
大阪府]大阪市高速鉄道の計画による大江橋淀屋橋本町間の地下鉄工事について。大林組請負で目下同通り両側のシートパイル打込作業、大江橋仮橋架設中。この工事では湧水に対する防水に苦心が払われている(東京地下鉄工事でも失敗を演じた)。今回の防水はコンクリートの上にアスファルトを用い、その中に煉瓦を入れ、さらにアスファルトで押さえて防水することになった。また大川・土佐堀川を渡る区間の河底工事は地上から約60尺掘り下げられるという大阪市初の難工事。そのうえに市を代表する橋を架設するのであるから斯界の注目を集めている。淀屋橋南詰の地下停車場は地下50尺の地下河底に建設しエスカレーターで昇降する。これら工事の総経費は750万円にものぼる。第6巻第6号に関連報。
第6巻第9号大阪地下鉄の工事進捗状況
大阪府]大阪市高速電気鉄道工事について。本年1月起工以来第一回起債の814万5500円をもって失業救済を加味し、施工区域も大江橋市庁前、淀屋橋、本町間0マイル90に縮小され、地下道掘削工事に取りかかっているのみであるが、去る5月市会の決議を経て主務省に申請中の起債1300万円が認可されれば現在の『穴を掘るだけ』の状態を脱して積極的に進捗を計る予定である。なお右区間内の地下停留場は△大阪駅前△淀屋橋南詰△本町4丁目△心斎橋南詰の4個所で、工事予定は右停留所の建設、舗装、電車製作(鋼製120人乗り)変電所1個所建設などである。かくしてとりあえず昭和7年までには大阪駅−心斎橋間に地下電車を開通させようという計画。
第7巻第1号]百万円を河中に 大阪地下鉄工事
大阪府]大阪市の地下高速鉄道について。第二回の起債336万円が認可となったので予定のごとく失業救済を加味したアンチスピード工事で進行されるのである。何といっても堂島川と土佐堀川の河底を潜るのが一番の工事である鉄矢板の打込機は市庁前から南北に移動して淀屋橋と大江橋に別れ、方や北軍、方や南軍といった調子で塹壕工事が進められる。堂島川のほうは架橋工事と同様に水中へ矢板を打込むが、土佐堀川のほうは一旦川中を土で埋めてのち鉄矢板を打込むという。この基礎工事だけが53万円で大林組の請負い、セメントは市の持ちであり、パイルハンマー機や鉄矢板の償却を見込むと百万円近い金がこの河中に投げ込まれることになる。
第7巻第5号大阪地下鉄の崩壊事件
大阪府]4月8日午後11時45分、大阪市庁前淀屋橋北詰の地下鉄道河底工事中の河岸約○十坪が渾然たる大音響とともに陥落。百数十本の鉄矢板はヘシ折られせっかくの地下鉄のトンネルも泥水が浸入しほとんど駄目になった。またこれがため電車軌道が宙に浮かんで不通となった。この椿事に関しては去る10日午後2時半より平塚電気局長以下関係技術家および田辺、直木、高橋三博士ら出席のうえ緊急対策協議会を開いたが、結局市庁舎前南に鉄矢板をもって締め切りを設け、以北の排水をなして工事を進めることにした。一方崩壊した淀屋橋台北部分はこれを現橋の下方まで矢板を打ち土砂を充填し噴水個所を急結コンクリートをもって止め、排水のあと地硬調査をなしてから方策を樹立する。地下鉄のトンネルは従来通りの設計で工事を続行できるが、これを被覆する橋台部分の工事は結局適当の長さの基礎杭を使用するに至るものと見られている。現在の見込みでは市庁舎前以北は1カ月程度の遅延となるが、橋台付近は少なくとも3カ月以上は遅延を見るだろう。これによって長堀−梅田間の開通期も著しく遅延し、5月の開通予定は到底望まれない。今回の原因については地盤の軟弱さによるもので、鉄矢板工事の過失や設計の違算によるものではないらしい。(第6巻第9号第7巻第1号に関連報)
第7巻第9号]囲み記事:大阪地下鉄工事崩壊事件の真相
大阪淀屋橋北詰における4月8日の地下鉄工事崩壊事件発生の原因については、工務審査会における審議の結果を関市長に報告(29日)。『やむを得ざる事故』であって損害は大阪市と工事請負者とがそれぞれ負担することとなった。事故発生源員は以下の通り。

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日本の廃道 nagajis (http://www.the-orj.org