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第6巻第7号

第6巻第7号 昭和5年7月発行 (1930年)

第6巻第6号第6巻第8号

※著名工事視察の手引

http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/06-07/06-07-1289.pdf

−鉄道−

大阪市の高速鉄道
大阪府]大阪市高速鉄道の計画による大江橋淀屋橋本町間の地下鉄工事について。大林組請負で目下同通り両側のシートパイル打込作業、大江橋仮橋架設中。この工事では湧水に対する防水に苦心が払われている(東京地下鉄工事でも失敗を演じた)。今回の防水はコンクリートの上にアスファルトを用い、その中に煉瓦を入れ、さらにアスファルトで押さえて防水することになった。また大川・土佐堀川を渡る区間の河底工事は地上から約60尺掘り下げられるという大阪市初の難工事。そのうえに市を代表する橋を架設するのであるから斯界の注目を集めている。淀屋橋南詰の地下停車場は地下50尺の地下河底に建設しエスカレーターで昇降する。これら工事の総経費は750万円にものぼる。第6巻第6号に関連報。

−道路−

大阪市で採用の新道路舗装法
大阪府]アスファルト舗装用の乳剤を輸入に頼っていた大阪市、市立工業研究所の宮武技師が研究した乳剤製造法を採用することになった。鶴町の土木倉庫に20トン容量タンクを設置してこれに新考案の重油燃焼装置を据え付けることに決定している。完成の暁にはアスファルトと薬液とを調合して貯蔵し随意に必要場所へ運搬して舗装に用いることになる(加熱の必要がない)。従前のような路上での石炭燃焼による作業は廃止されるに至った。

写真:ベニスのリアルト橋航空写真(日本大学工学部教授・成瀬勝武氏所蔵)※この号航空写真特集

写真:(1)隅田川、千住大橋付近(航空写真)

米穀で好成績の混凝土道修繕法
海外]最近米国でコンクリート舗装道路を修繕するハント式という新方法が試みられ、良好な成績を挙げている。この方法で使用するのはトリニダッド湖アスファルト、バーミュデッツ・アスファルトおよびキルソナイトの混合物を高温で混交し石油溶剤で薄めて色素を加えたもの。破損したコンクリート道路面にコンクリートを流し込んでからこれを用いると極めて丈夫に密着し、水や空気にも耐久力の強い舗装材となるそうである。修理個所にコンクリートを注入してのち噴霧器で混合物を吹き付け、もってコンクリート中の水分蒸発を防止するのであるが、コンクリート中の水分とその作用を巧みに利用する。
道路改良の合理化を目指す
大阪市立工業研究所では道路技術の発達を図り大阪を中心とした各府県市当局と道路工事事業者および材料業者の研究懇談会を開くことになり目下計画中だったが、6月14日午後1時より産業奨励館で開催された。参加者は大阪府市、京都府市、兵庫県及び神戸市、姫路市、奈良県市、滋賀県及び大津市、和歌山県市、岡山県市、内務省大阪土木出張所、京大工学部、内務省道路改良会東京道路研究会、内務省土木試験所、道路工業者ならびに材料業者ら約120名出席。主催者として高岡博士が開辞を述べ、小山技師による『各種路面の耐久力試験成績に就て』ほか講演。

−建築−

日比谷の一角に三信ビル落成
東京府]一昨年来東京日比谷の一角に工事中だった三信ビルがこのほど完成。横川工務所松井博士の設計によるもので、鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上8階、総延べ坪6700坪余りの近世式。総工費200万円、基礎工事は清水組の請負になり建物主体は大林組の手で、その他付帯設備は直営で行なった。最近の建築界における傑作として評判を高めている。
高島屋日本生命館の設計図案入選者決る
東京府]懸賞募集中だった日本生命高島屋の建築図案入選者が決まる。(入選者中10名)特選高橋貞太郎、同出張龍三、同下山猛、佳作西村好時、加崎章。第一相互館営繕課中村晧一、野村安太郎、黒川仁三、矢部金太郎。審査員は工学博士伊東忠太、同武田吾一、同片岡安、日本生命社長弘世神太郎、同社取締役田中弟稲、同監査役坂野兼通、高島屋取締役飯田直次郎ら。

ヘルゴンと光明丹

鋼構造物は如何なる塗料で錆を防ぐか
防錆塗装について(nagajis注:日本ペイント社の広告記事)。現在では特殊の防錆塗料が多数製造されているが耐久力の点で問題あり。而して錆び止めとしては優秀な光明丹が依然として絶対的なものがある。しかし従来のものは粉末混合に際し使用上の不便と不経済があったが、今回特許品として『溶解光明丹』なるものができた。また光明丹の下塗りを要せず防錆の目的を達する特殊塗料『ヘルゴン』もある。以上二種、日本ペイント社の製品。

−橋梁−

奈良県の橋梁愈々改良着手
奈良県奈良県に於いて計画中の橋梁改築工事が着手されることに。(nagajis注:以下文章が乱れている。原文ママ)大和川支川富雄川筋橋梁架け替が笠目現橋58m鉄筋コンクリート造4本建桁型スリースパンであり全長23m20幅巾5m50並に大和支川寺川筋橋梁は鉄筋コンクリート造り下路式ガーダー有効巾4m60cmスパン7m余スリースパン23m余であり、橋台は総てコンクリート造となすものである。
写真・隅田川、永代橋上より深川方面を望む

−会合ー

港湾協会総会新潟に開かる
社団法人港湾協会の第三回通常総会が6月5日午前9時より新潟市の白山公園物産陳列所本館において開催される。会長水野錬太郎氏、副会長松波仁一郎氏を始めとして三邊長治(内務省土木局長)三橋信三(三菱倉庫)丹羽鋤彦、大河内宗治(鉄道省)中野金太郎(国際通運)井上範(帝大)松田泰平(参謀本部)の諸氏以下500余名。以下議事進行。
東北六県の土木課長会議
東北各県の土木課長はさる5月8日より11日の4日間山形市に会合して所管事項に関し種々協議したが、その結果各県相互の連絡ならびに地方的事情等を知るを得、共通的の問題には出来る限り相提携するの方法をとることに決し、土木事業をまずもって進捗せしめ、東北地方振興に資することを協議した。山形県課長児玉静夫氏、関係技師道路主事、岩手県課長長谷川勝伍氏、道路技師畠山英三郎氏、青森県課長柳井照蔵氏、土木技師高橋経徳氏、福島県課長浅見洋氏、道路技師栗原斧衛氏、秋田県課長片桐兼次郎氏、道路技師小川昌光氏ら。議案23、内容は東北地方に於ける道路舗装の最適工法如何、道路の維持修繕に於ける最も良結果を得る方法如何、寒中コンクリート工の施行と其の結果如何、技術の向上並に技術員優遇に関する件など。

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