トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ RSS ログイン

第7巻第5号

第7巻第5号 昭和6年5月発行 (1931年)

第7巻第4号第7巻第6号

http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/07-05/07-05-1435.pdf

※土木学会視察旅行スナップ(1) 伊豆地震で5丁余りも滑り出して立っている老木(ナス・アキヤ氏蔵)

大阪地下鉄の崩壊事件
大阪府]4月8日午後11時45分、大阪市庁前淀屋橋北詰の地下鉄道河底工事中の河岸約○十坪が渾然たる大音響とともに陥落。百数十本の鉄矢板はヘシ折られせっかくの地下鉄のトンネルも泥水が浸入しほとんど駄目になった。またこれがため電車軌道が宙に浮かんで不通となった。この椿事に関しては去る10日午後2時半より平塚電気局長以下関係技術家および田辺、直木、高橋三博士ら出席のうえ緊急対策協議会を開いたが、結局市庁舎前南に鉄矢板をもって締め切りを設け、以北の排水をなして工事を進めることにした。一方崩壊した淀屋橋台北部分はこれを現橋の下方まで矢板を打ち土砂を充填し噴水個所を急結コンクリートをもって止め、排水のあと地硬調査をなしてから方策を樹立する。地下鉄のトンネルは従来通りの設計で工事を続行できるが、これを被覆する橋台部分の工事は結局適当の長さの基礎杭を使用するに至るものと見られている。現在の見込みでは市庁舎前以北は1カ月程度の遅延となるが、橋台付近は少なくとも3カ月以上は遅延を見るだろう。これによって長堀−梅田間の開通期も著しく遅延し、5月の開通予定は到底望まれない。今回の原因については地盤の軟弱さによるもので、鉄矢板工事の過失や設計の違算によるものではないらしい。(第6巻第9号第7巻第1号に関連報)
信濃川発電計画実現
新潟県]大正10年以来再三中止の憂き目を見ていた鉄道省の信濃川発電所計画はようやく事務所長の決定によって本年度より9カ年間継続事業として着手されるに決定し目下事務所設置場所である新潟県千手町に本拠を置き事業の遂行につき種々打ち合わせ中。今回発電計画の着手順序および経費割当などが決定され、これに基づき本月中に事務所の建物の完成と相まって漸次着手されるはず。なお同工事内容は新潟県具野村宮仲より水を取り入れ山辺村吉平にて放流しこの間に山辺千手に二発電所を建設して16万8000キロの発電をなす。第一期から第四期に分ってこれを実施するが、今回決定した第二期までの工事順序・経費割当ては次のごとくである。(1)取入口堰堤築造(225万円)(2)取入口築造(125万円)(3)水路建設(140万円)(4)沈砂池築造(75万円)(5)浅川原調整池築造(145万円)(6)圧力隧道建設(190万円)(7)水槽2本設置(80万円)(8)水圧鉄管建設(70万円)(9)千手発電所建設(270万円)(10)放水路建設(110万円) ちなみに取入口堰堤築造より水槽設置を第一期、それより以下を第二期として第一期は昭和11年度第二期は同14年度末までに完成するはずになっている。
小見発電所着工
富山県富山県営電気では既報(第7巻第3号参照)のごとく小見発電所1万2000キロの開発にこの4月着手する。同時に称名川筋称名発電所約5000キロの土木工事も4月より着工することとして目下準備一切を調べている。
秋葉原駅の改良始まる
東京府]両国お茶の水間の高架線築造が完成すれば現在の秋葉原駅が東海・中央各線の中心をなすわけで、早くから同駅の改築設備増設などにつき研究が進められていたが、今回第一着手として同駅にテルファーを新設することとなった。近く設備に必要な双行軌条の敷設から事業を進めることとなった。これが済めば駅本屋改築、ホーム新設など次々に事業が起こされる。
インターナショナル・エア・ポート完成近し
千葉県]逓信省の羽田国際飛行場は最近漸く完成の域に達しているが、この完成とともにただちに現在の立川飛行場から事務所その他一切を移転し、本年8月までには全部を完了して本式の事務を開始する予定である。
釜山郊外洛東の新可動橋
朝鮮]可動橋梁界のエキスパート山本卯太郎氏の設計になる釜山郊外洛東江の新橋は、総工費実に360万円という東洋一のもの。4月半ばの着工期を控えて釜山府ではこれを請負いとするか直営とするかにつき種々協議を重ねた結果、大英断をもって直営工事となし、ただ鋼材部分のみを大阪汽車会社の請負となすことに決定を見たようである。
土木学会視察旅行
既報のごとく3月21日22日に伊豆地方および清水港震災被害状況視察を兼ねた修善寺温泉泊旅行が催された。那波会長を始めとして60余人が参加。東京駅を出発し、途中早川筋内務省砂防工事の視察に始まり、箱根三島の震害地を視察、修善寺菊屋旅館に投宿、7時より懇親会。翌日は10時に修善寺を発し、午後清水港の震害状況を視察し、7時56分東京駅着解散。カットは当日川崎工場の那須氏(nagajis注:那須章弥)が撮影したもの。
故太田円三氏胸像除幕式
前復興局土木部長太田円三氏の記念建造物ならびに胸像が竣工し、4月21日午後3時から深川相生橋の中の島公園で除幕式が行なわれた。(第7巻第6号:「太田円三氏記念像」http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/07-06/07-06-1447.pdf 参照)
株式会社間組
従来合資会社であった間組ではこのほど組織を変更し株式会社として再出発する。社長には小谷清氏が就任。
西松組移転
赤坂区台町にあった西松組東京支店、さる4月1日から事務所を丸ノ内八重洲ビルに移したが、さらに5月には京都本店も同ビルに移転、中央において堂々活躍することになった。なお電話は丸ノ内3806番に変わったと。
土木局長更迭
浜口内閣の辞職により若槻内閣が成立、内務省土木局長の更迭が行なわれた。丹羽七郎 埼玉県知事→内務省土木局長三辺長治 内務省土木局長→内務省地方局長
信濃川電気事務所長決定
信濃川発電所工事起工にともない、新潟県中魚沼郡千手村に新設される電気事務所長として北海道建設事務所長堀越清六氏が任命された。(前号参照)
竹貫登代多氏逝去
数学教育家として早く明治時代にその名を知られていた竹貫登代多氏が4月14日巣鴨町1-1-3の自宅において逝去。享年76。攻玉社近藤真琴門下の秀才で、著書も多く、晩年まで攻玉社講師として後輩の指導に尽くした。
写真・土木学会視察旅行スナップ(2) 赤王付近の陥没地を視察中の一行(ナス・アキヤ氏蔵)

第7巻第4号第7巻第6号


ご意見・ご指摘・ご要望は下記まで

日本の廃道 nagajis (http://www.the-orj.org