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第7巻第6号

第7巻第6号 昭和6年6月発行 (1931年)

第7巻第5号第7巻第7号

http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/07-06/07-06-1449.pdf

丹那隧道進捗状況
掘削困難を極めつつある国鉄熱海線丹那トンネル工事。目下2400余尺を残すのみで熱海口は毎日約1尺を掘削し沼津口すなわち大竹口は昨秋の震災のためストップ。1万1000尺の最奥部丹那盆地の真下で幅約20尺の粘土性地質に逢着し再び施工困難に陥ったが、目下セメンテーション施工中。6月中にはこれが固まり引き続き掘削工事が進められる見込み。
城東線高架工事六月上旬に着手
大阪府]電化運転に先立って本年度失業救済事業として施行せられる大阪城東線天王寺−京橋間高架工事に関する第二工区、第四工区に対する施工伺いが正式に許可せられることになった。先月下旬には業者の入札が行なわれ、本月上旬より具体的工事に着手されるはずで、予算は約600万円である。
珍しい様式で大貯水池を建設
徳島県]合同電気出願の松尾川発電所工事設計変更は近く許可される見込み。これは吉野川水系祖谷川支流松尾川の流水を引用し3000キロを発電せんとするもので、送電線15マイルをもって同社祖谷発電所に送り既設送電線接続するはず。今回の出願には現れていないが同社では発電所対岸山上にある盆地を利用して大貯水池を作らんとする計画がある。すなわち水路を60個通水用の大きさとなし水量豊富なる期間中は水槽よりサイホン管をもって貯水池に送り置き渇水時ほかの発電所の出力減衰せる場合同発電所を50キロの出力となさんとする計画である。このような大容量の貯水池が川面より1100尺高い水槽の付近に作り得るということは地勢的に恵まれているためとはいえどもすこぶる珍しいことで、本邦では初めて。もっとも懸念されているのは高所の土質が平均50尺の水深に耐え漏水の恐れなきや否やの点である。
新増設の水力発電
逓信省では目下工事中の全国5000馬力以上の水力発電所新増設実施ならびに計画のものにつき調査を続けていたが先頃その調査を終えた。それによれば新増設水力発電所は合計8カ所で、大淀川の4万9000馬力を最大として九送の2万馬力、玉川水力の1万馬力、九水の女子畑(増設)1万3000馬力、電気化学工業姫川2万8000馬力でいずれも本年度あるいは明年度に完成する見込み。
宇治電小泉自働発電所
宇治川電気では近江小泉全自動発電所が最近漸く完成し、各用機の調整試運転を進めていたが、17日より試運転を行なった。該水力発電所のヘッドは90余尺で、発電所としては芝浦製600kVAが二台装備され、出力は960kW。全自動操作装置もまた芝浦製である。
横浜市が水道に電弧鎔接管採用
予て各方面に注目されていた横浜市上水道用の導水管については、結局電気溶接鋼管を採用することに決定し、その所要材料の見積もりに着手した。これは日本標準規格に準拠する鋼板を採用するもので、数量は4900トン、第一回の納期は6月中で250トン、引き続き毎月250トン見当を納入するものである。電気溶接管の見積もり要求は神戸造船(三菱)および横浜ドックに要求されているので両社分注は予定通りである。なにぶん我国としてはこの種の鋼管の大口注文は初めてで、この成績如何はただちに今後の上水道用パイプ業界に一波瀾を巻き起こすだろう。なおこの種のパイプ採用は東京市の200トンが先例としてある。
荒玉水道組合竣工式
東京府]荒玉水道町村組合ではようやくこのほど所定の水道網を竣工したので去る19日午前10時より府下砧村同水源地において盛大なる竣工式を挙行した。着工は大正15年、途中多少の遅延もあって6カ年継続事業として進工されて居たものである。
東京市上水拡張で発電所の計画
東京府]東京市水道局の上水設備拡張計画はこのほど大体の決定を見ることとなった。それによれば多摩川上流羽村付近に大貯水池(1カ年平均貯水量約70億立方尺)を作る設計のもとに目下準備中。昭和6年以降10カ年継続の新規事業として着工せられる筈で、総工費は4500万円内外という大規模のものである。この貯水池の設計に伴い現在考慮されつつあることは約320尺の落差を利用する発電所建設の議で、これに対しては特に市電において委員をあげ実地調査のうえ上水道電気両局間の共同計画によって理想的の発電所を建設してはということになっている。
門司市水道通水式
山口県]門司市では総工費170万円を投じて3カ年継続事業として第一期拡張工事を行なっているが本年一杯でいよいよ完成、6月7日に通水式を挙行することになった。
東京府下の中川橋
東京府]第六号国道中川橋架替工事は先頃設計完了とともに工事の認可を申請中であったがこのほど認可され、近く東京府において着工することとなった。同橋は南葛飾郡亀青村と新宿村の中間に架設されており、新築される橋は鉄筋コンクリート橋、橋長131m9、橋上有効幅員7m5、取付道路253m398m、有効幅員2mで、橋台及び橋脚は同様に鉄筋コンクリートの杭打を終え、ゲルバー式による。橋面舗装はアスファルトブロックである。工費は12万8180円(nagajis注:8と1の間にアキがある。二百〜九百かも知れず)、国庫補助によると。
東京一の陸橋工事
東京府]東京市芝区埋立地の発展に資するべき都市計画道路の延長線、芝札の辻より芝浦へ通じる道路の省線横断橋はいよいよ土木局直営のもとでコンクリート橋台工事に着手した。これは品川八ツ山橋と同型の鉄橋であって、総工費32万円を投じる東京市最初の橋(nagajis注:同形式のものとして最初の?)となる。延長30間幅員12間、復興局が拡張工事を行なった八ツ山橋よりも大規模のものであり、6年一杯には両袖道路とともに竣工の予定。
揖斐長良橋脚工事
愛知県][岐阜県]揖斐長良両川を連絡する揖斐長良川橋は総工費300万円を以て昨年4月から建設中(昭和8年を以て完成)で、目下最後の橋脚工事中である。来る6月いっぱいをもって第一期起債の分60万円を費やして橋脚橋台工事を完成するので引き続き第二期工事に着手するはずだが残額の起債がいまだ認可されないので岐阜愛知の両県では内務省に向かって諒解運動を開始した。
香川県橋梁設計
香川県]県では経費40万円を投じて塩ノ江橋ほか10橋梁の実施計画を急いでいたが、近く完成するので、本月中にはこれを本省に提出、認可あり次第起工すべく目下その準備をなしつつある。
東京府道路祭六月上旬挙行
東京府]東京市の復興街路舗装が5月末で完成するのを機に、帝都道路舗装普及の礼讃と祝賀交通道徳の涵養、道路愛護思想の啓発、路上工作物整理による都市美の維持、街路樹による緑化の実現、街路照明普及改善の促進、街路清潔保持の奨励等々の道路礼讃の旗錦をかかげ、来る6月6、7日に道路祭が開催される。総裁に清浦奎吾伯、副総裁に水野錬太郎氏が挙げられ、主体団体は都市美協会、道路改良会、交通協会、工政会、東京市政調査会、照明学会、日本交通協会、帝国運送協会、東京連合婦人会、婦人市政研究会等道路に関係深い団体実に12団体の連合となりこれに内務省、鉄道省、警視庁、東京府、東京市、東京商工会議所などが後援する。
大阪ビル別館竣工
東京府]大林組請負の下に一昨年7月起工した東京内幸町の大阪ビル別館は、工期を1カ年早めてこのほど見事に竣工会館した。同建築は渡邊節建築事務所の設計になるもので鉄筋コンクリート造地階付八階建総延べ坪3331坪、褐色タイル張りの堂々たるビルディング。近年では珍しくシックな装い。
山手60小学校を20年計画で改築
東京府]東京市ではかねて懸案の山の手小学校79校のうち60校ある木造校舎を鉄筋コンクリート造に改築すべく今後毎年度3、4校ずつ新設する予定を立てることになった。これによれば20ケ年後には市内学校は木造を一掃して鉄筋コンクリート3階建地階つきのモダン校舎となるはずである。
大島満一氏
東京発電株式会社土木課長→合併に伴い4月から東京電灯会社に勤務せられた。
門司連絡鉄道
4月号に発表した九州−本土連絡大吊橋の建築計画は着々と具体化し、会社創立に向かって進行を見ているが、今回同社創立事務所では発起人太田黒九軌社長および関門両市長以下知名実業家20名の連署を以て下関市役所に対し事業計画書を添えて願書を提出。市当局では次の市会で該当計画に対する支障の有無を諮問することになった。設計書によれば鉄道及電車が市内に乗り入れることになるので重大視されている。(第7巻第6号「<三大工事計画>」http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/07-04/07-04-1405.pdf 参照)

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