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第2巻第10号

第2巻第10号 大正15年10月発行 (1926年)

第2巻第9号第2巻第11号

http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/02-10/02-10-0382.pdf

−鉄道−

神戸市街高架線
兵庫県]灘・生田川間の第一工区の起工式が8月12日に挙行される。
関門トンネル工事
山口県]9月8日の鉄道省会議で第2巻第6号報のごとく沈埋管式で17年度より着手に決定。
八月二十五日
東京府]上野浅草間地下鉄工事で土砂崩壊、ガス管に引火したが負傷者なし。(事故の報がどこかにあったはず)
シャムの王族
海外]プレイマカーン殿下がコーネル大学で鉄道土木工学を修め7月に卒業・帰国。国内鉄道建設工事に従事することに。シャム(タイ)の鉄道は現在3000マイル。

−建築−

皇族会館
宮内省では外国貴賓の迎賓館として壮麗な会館を造営する由。予算500万円(注:5,0 0,000円)くらいで新宿御苑か高輪御料地かに予定。
新華族会館
東京府]日比谷公園前の有名な旧鹿鳴館を払い下げ麹町三年町に新館建築。古代英国風四階建。中条曽根両氏の設計になる。
震災記念塔
東京府]震災記念塔が本所被服廠跡に起工される筈であったが、設計図が変更され工事が延期中。
ジェネバ
前号報の国際連盟会館のコンペ、東京の建築学会の態度があまりに冷淡だと言うので関西方面の少壮建築家は一切応募せぬ由。
海上ビル
東京府]東京駅前壕端の海上ビル増築工事、敷地1000坪7階建建延べ坪1万坪。同社営繕課の直轄工事とする。(海上ビル:第2巻第7号
大津市庁舎
滋賀県]原田土木課長の改築設計案が完成、来る8月30日実現に関する市会委員会を開会。
帝室博物館の再築
東京府]上野公園の帝室博物館の再建計画が宮内省内で検討される。
大東京市庁舎
東京府]東京市庁舎の新築案。大手町の印刷局跡を買収し建て坪1500坪工費975万円で鉄筋コンクリート7階建の堂々たる建築具体案が出来る。
水上署の新築
神奈川県]震災後振るわない横浜の建築界の一異観。工費25万円で近世式鉄筋コンクリート建て坪136坪3階建ての水上警察署が完成。8月28日落成式。
市民葬儀場
東京府]東京市の手で青山に完成。120坪500人収用。使用料は最高80円、40円、20円、1マイル50銭の式用自動車を備える。10月1日から利用開始。
工事費節約
大蔵省営繕管繕局では審議の結果同局関係の予算について工事費約5/100見当を一率に節減。
国産品の苦心
東京府]新議事堂の大理石は茨城、岐阜、岡山等の国産品を使用するため入手に苦労している。便器も国産良品を探して苦心中。第2巻第1号関連報。
下級官吏
下級官吏優遇の一策として省裏敷地に鉄筋コンクリート3階建のアパートメントハウスを起工。工費10万円。
細民街
細民街の改善のため東京三河島、日暮里、南千住に250万円の予算で鉄筋コンクリート2階建を建築する案が内務省で立てられる。
京浜の仮建築
神奈川県]震災後の市民復興の状況を考慮し大正17年8月迄の許可期間を3年〜7年延長。
中央官衙建築
東京府]中央官衙建築の準備委員会が永田町首相官邸で9月6日開会。
仙台建築学会
宮城県]建築研究を目的とし仙台市の技術家同業者により設立。9月5日塩釜築港工事状況を視察。
東京中央郵便局
東京府]近く着工。9月上旬から東京駅前の地質調査へ。鉄筋コンクリート5階建、延べ坪6000坪。(第2巻第7号参照)

−道路−

八月二十七日
東京府第2巻第3号続報。内務省の特別都市計画委員会で都市計画道路受益者負担に関する条項を特別委員会の審議に付す。環状線放射線となるもの。
日本固有の
東京府]荷馬車荷車用の特設道路を東京府にて新設することに。16年度新事業として新宿御苑寄り旧上水延長500間の上部をコンクリートで蓋をし6間幅の道路になる。
復興道路
東京府]復興道路工事では幹線幅22m以上のもの53線のうち9割8分は測量を終わり、4割8分は設計及び工事中。
東京市道路局
東京府]第二期補助街路舗装工事について。山の手方面四間以上六間以内約70万坪に900万円の簡易舗装を行なる。16年度より4カ年継続事業として予算要求。
日比谷公園
東京府]日比谷公園脇−内幸町−海軍省横に至る24間道路に公園課の手で初めての遊歩道完成。

−橋梁−

淀川大橋成る
大阪府]阪神国道中の延長402間幅11間の淀川大橋完成。工費230万円。鉄骨鉄筋造、8月25日渡り初め式。(第2巻第4号関連報)
復興橋梁
東京府]震災後3周年の今日現在で復興局による橋梁は東京市内16橋、工事中36橋、設計中35橋。(第2巻第5号にやや関連報)
隅田川六大橋
東京府]復興局隅田川出張所所属人員、技師・技手・書記以外に現在館の530名、事業手180名その他で770名。
宮城県石の巻
宮城県]北上川の東内海橋が鉄筋コンクリート橋へ。(「道路の改良」に関連報多数)
京都伏見町
京都府]西部の新高瀬川に鉄筋コンクリート鋼版式桁橋を。内務省直営、工費40万円。
酒匂橋の亀裂
神奈川県]本年6月竣工の酒匂橋、ソリデチット舗装が桁の継目で3寸程の亀裂を生じる。継目のアスファルト工事が不良であったためか?

−港湾−

井上鉄相
半ヶ月ほどの北海道鉄道視察旅行を終え9月3日帰京。小樽、函館、室蘭、釧路、根室、網走、稚内の7港の運輸系統の統一、背後地域の産物の統一が先決であるとの談話。
室蘭は
北海道]前記事の承。鉄道省は室蘭港1200万円、小樽800万円見当で16年度から工事に着手する模様。
隅田川川口工事
東京府第2巻第6号の承。東京市の同改良工事、すでに第三台場から洲崎埋立地までの延長1300間のうち300間は2、3カ月で工事終了見込み。芝浦一号地先新設500間の岸壁も近く着手へ。
熊本県
熊本県]八代北新地潮止工事は7月5日の暴風で大被害。山田埋築初潮、請負者小林氏は天草方面より帆船百数十隻で原石を運び8月16日潮時を利用して一気に荒潮留工事を成功させる。
マカオ築港
海外]8月26日に落成式。

−河川−

治水問題
政友本党では9月上旬小委員会を開き治水問題に関する調査事項を協議した。
復興運河
新設1、改修11、埋立1のうち喫緊の西堀留川筋埋立工事は落成、築地川、楓川の連絡工事東堀留川改修工事を除いた他の運河は設計工程3割5分、工事工程2割6分、落成工程2割1分。

−水道−

戸塚水道工事
神奈川県]戸塚町の水道工事は近く工事着手の予定で諸種準備中。
水道複線工事
東京府]東京市の水道鉄管複線計画。13年度から工事中だが本年度から工事費211万5000円で復興事業に属する総延長4万5424間から分割着手、明年度には完成見込み。さらに第二期計画を進める。

−電気−

大無線局
800尺の大鉄塔8基・500km12万メートルアンペアのアンテナを架設する。
地表の所有権
群馬県]土地の支配権は地表上下の何尺に及ぶか。群馬県吾妻川水電工事による地下70尺の隧道工事を土地所有者より侵害訴訟されたためにわかに注目を集めている。
鬼怒川水電
東京府]鬼怒川水電会社の隅田川火力発電所8000キロ発電機、三菱造船所で製作上責任を負い、石炭消費量について補償または賞金つきの試験をなす由。

−人事−

草間偉
「無線電信柱の設計に就て」で工学博士号。明治39年東大土木工学科出身で同学科教授。
清野長太郎
復興局長官の同氏が9月15日逝去。後任は有吉横浜市長?
大井田瑞足氏
東鉄工務課長の氏は鉄道省監督局技術課長に転任。
伊藤常夫氏
鉄道省監督局技術課長の氏は富士山遊鉄道の技師長になるため辞任。
米山辰夫氏
仙鉄工務課長→東鉄工務課長に転任。
田井九一氏
札鉄工務課長→仙鉄工務課長に転任。
鈴木一氏
札鉄工務課長に任ぜらる。
志賀儒介氏
東鉄改良掛長→名鉄工務課長に転任。
森川藤次氏
神鉄改良掛長→名鉄改良掛長に転任。
田代瑞穂氏
札鉄改良掛長→神鉄改良掛長に転任。
河原直文氏
鉄道省熊本建設事務所長。欧米鉄道視察を命じられ11月5日出帆予定。
名和昆虫翁
8月30日岐阜の自宅で逝去。71歳。鉄道省嘱託として枕木被害の調査も行なった世界的な昆虫学者。
勤労大尉
神奈川県戸塚町在の予備騎兵大尉平野享氏(37歳)は目下大船駅の鉄道工事に自由労働者として従事。仲間から尊敬を受けている。
平野享氏
曰く「他の勤労者には階級意識があり心のつながりがあるが土工にはそれがなく労働と賭博が生活の全部である。それで私は生活の向上をはかりたいとの心から自ら鶴嘴を握る土工となった」。
大正十四年
日本人口動態統計が9月1日発表。内地だけで出生208万6091人、死亡121万706人。オランダ、イタリーよりも高い増加率。
名を秘めて
匿名の寄付者が東京本所区柳島梅森町の賛育会建築資金に20万円を寄付。
片岡弓八
地中海の海底から八阪丸の金塊を掘り上げて以来深海工業家として有名に。今回ロシア政府に黒海に沈んだ船中の金貨引揚げを依託された。(神戸大学電子図書館システム http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/DetailView.jsp?LANG=JA&METAID=00075108

−雑報−

北海道天塩郡
北海道]幌延村の豊富土地改良工事、8月18日起工。起工式には加瀬土木部長、竹内所長、長池技師列席。
京都府
京都府]巨椋池750町歩の干拓工事、明年度から府事業として着手。総工費180万円。
優良セメント
優良セメント製出のため浅野系セメント会社では資本金5000万円の新会社を設立すべく準備中。近々技師を外国へ派遣する。
七尾セメント
盤城セメント株式会社は10月頃石川県七尾町に資本金500万円の新会社を設立する。
地震の回数
大震災後満3年間に1万8500回、一日平均17回の地震が発生と中央気象台の発表。
創刊雑誌
も出るが廃刊も毎月多数にある(注:ガクッ)。最近休廃刊したのは文化画報、蒲田映画、芝居画報、演劇映(注:不鮮明)画、東京湾、むらさき、ももいろ。その他文芸もの多数。
囲み記事
便利購買法:「工事画報」希望者には振替用紙とともに本誌送付という告知。

第2巻第9号第2巻第11号


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