第2巻第6号 大正15年6月発行 (1926年)
http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/02-06/02-06-0306.pdf
−鉄道工事−
- 無軌道電車
- 東京や兵庫で無軌道電車の計画。これに関する施行規則がないため内務省と鉄道省との協議の結果「軌道法第三十一条の規定による軌道に準ずべきものに関する件(省令)」を制定することになった。
- 軌道工事
- [東京府]軌道工事に対する市民の非難が強くなり、大道電気局長は曽山理事とともに四谷見附から現場視察を始めた(5月3日)。
−港湾工事−
- 名古屋港拡張
- [愛知県]第三期工事が近く完了、さらに根本の拡張計画を名古屋港調査会に附議することに。
- 地震のため
- [神奈川県]隆起した三崎漁港の改修が決まる。
- 九州の大玄関
- [山口県]門司鉄道桟橋(大阪鉄工所因島工場で製作した浮桟橋)の取付が4月23日に無事終了。旧桟橋は三菱彦島造船所で修繕のうえ宮島で利用されることに。新橋面積470坪、総工費170万円。
−建築工事−
- 東洋一設備
- [大阪府]大阪刑務所の新築工事竣成。面積10万9000坪、工費180万円。現代的ゴシック式の鉄筋コンクリート二階建。
- 三大都市
- 前号報の東京市中央卸市場に続き京都市は梅小路駅北に420万円で、大阪市は此花区に1800万円・3万6000坪に着手した。
- 震災後バラック
- 震災後手付かずであった各区役所の再建工事が始まる。第一着は麹町、牛込、浅草の3区役所。
- 朝日新聞社
- [東京府]数寄屋橋畔の新社屋工事、4月20日に上棟式。施工者竹中工務店。
- 応募建築設計
- [神奈川県]庁舎設計図の応募に2600名余りの応募者。
- 立派な文化住宅
- 内務省同潤会により文化住宅が建てられることに。渋谷の青山女学院跡に1000坪。2階、3階建ての鉄筋コンクリート200戸。工費100万円。(同潤会について、第1巻第6号に関連報)
−橋梁工事−
- 鉄道可動橋
- [東京府]日本初の鉄道可動橋が隅田川貨物駅の日本石油会社の引き込み線に作られる。跳開橋(バスキュール)形式、工費20万円、施工者山本工務店。
- 吉野川白地橋
- [徳島県]4月18日起工。東洋一となる大吊り橋(三径間連続構橋、長800尺幅20尺)。工費37万円で大正17年度完成予定。
−道路工事−
- 大阪市の中心
- [大阪府]幅24間の御堂筋工事、4月19日起工式。
−水力電気工事−−
−改良工事−
- 用排水改良
- 用排水改良事業は大正15年に予定1府31県59個所受益面積10万7058町歩のなかから補助見込み先を決定、地方長官あて通知。一覧あり。
−会議−団体−
- 全国工業家大会
- 4月10日より大阪にて第4回開催。
- 土木主任会議
- 4月5日、内務省会議室にて開催。
- 国産振興会
- 工政会の実行運動に端を発して官民合同の新団体に発展。この官制を公布して半永久組織とする由。
- 工学団体
- 社団法人工学会館の建設が決まる。
−人事動静ー
- 復興局
- 復興局長に横浜出張所技師・大岡大三氏が就任。
- 日本工人倶楽部
- 復興局土木部長の後任に技術官を据えるようにという運動を起こしてその与論の喚起に努めた。
- 英国炭鉱夫
- 昨年から続いていた労使間の懸案が物別れに終わり、4月3日夜より組合員約500万人が総同盟罷業へ。世界的にも珍しい大規模ストライキ。
−材料−工賃−
- 大陶のテラコッタ
- これまですべて舶来品であったテラコッタを大阪陶業会社が国産。仕上げ、形状、大きさ等の自由度一覧。
- 鋼材
- 街国品輸入値段は安くなる一方、9月着の丸棒並インチ物で1トン92円50銭。
- 亜鉛板
- 平板上等品1円32銭、生子板六尺物92銭と低落。
- 自由労働者
- 自由労働者を北海道の土木水事業へ移転紹介をして監獄部屋(当時300あった)の悪弊を直し都下の失業者を救う計画。東京市と内務省社会局の間で検討中。
- 都市賃金
- 商工省調査によれば3月中における13都市賃金指数は本月の総平均を前年同月に比較すれば一分一厘の低下に当たる。都市ごとに見ると新潟108、横浜107、高知106、大阪の104、東京・名古屋・金沢103、京都・仙台・小樽102、福岡101、神戸100。最低は広島の99。
- 囲み記事
- 伏見大将宮殿下 復興工事御視察
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