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第7巻第11号

第7巻第11号 昭和6年11月発行 (1931年)

第7巻第10号第7巻第12号

http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/07-11/07-11-1534.pdf

信濃川発電所水路工事伺
新潟県信濃川発電所建設の第一着手・水路トンネル(1.5km)に関しては過般来地質調査・施工方針について協議が進められていたが、最近施工に対する万端の準備が整ったので、いよいよ近く工事に入ることになり、信濃川電気事務所より本省に工事伺が提出された。
前田発電所認可
山口県]工事施工認可前に着手し問題を起こした東邦電力前田発電所はこのほどようやく逓信省により認可された。同発電所工事は大部分完成しているので、11月より規定運転が開始できる見込み。
欽明隧道愈よ着工
山口県]本年度第三次鉄道建設線として認可された岩徳線の欽明隧道施工(山口建設事務所担当)は、機械設備が整えられるに至ったので、いよいよ10月末より具体的工事に着手されることとなった。なお工事は鉄道省直轄で施工されるもので、工事はかなり困難を極めるものと予想されている。
二線の線路認可
熊本県][東京府]熊本建設事務所より提出されていた国鉄建設線水俣線深川−山野間の線路は今回正式選定認可された。なお東京建設事務所所管八高線誠生−寄居間に対する伺いも同時に正式認可。
宮崎県営電延長線認可
宮崎県宮崎県営電気では東飫肥駅より同県那珂郡飫肥町大字本町地内に至る延長線の敷設工事を進めていたが、最近ようやく完成し、いよいよこの程より運輸営業を開始した。
六甲山索道
兵庫県]かねて工事中のところ、9月22日正午開通。
京阪半高架開通
京阪電鉄の守口−蒲生間半高架線は10月14日開通。
京成東京乗入工事進む
京成電車の日暮里乗入れ線新設工事は既報のごとく目下工事中にあり、すでに八割程度の進捗振りである。
両羽橋の架替認可
山形県山形県内国道第10号飽海郡西平田村と東田川郡新堀村の境界にある最上川両羽橋は昨今腐朽が激しく、内務省先代土木出張所で鉄橋への架替を計画していたが、当局の認可も得たので近く工費69万8517円を投じて鋼結構橋に架替をなすことになった。この橋は近くに酒田港を控えて交通が頗る頻繁であるところから橋の幅員は26フィート8インチ、総延長は713m余り。
鬨渡の可動橋
東京府]工費の関係から先頃内務省方面において非難があった東京市隅田川鬨渡に架設される可動橋(注:後の勝鬨橋)はその後市当局において内務・大蔵両省に対して数々事情を説明し諒解に努めた結果、ようやくこのほど架設の内諾を得た。当局の諒解成立とともに市側では可動橋として予算約50万円を支出し直ちに測量ならびにボーリングに着手することとなった(第6巻第2号・岡部三郎「隅田川築地月島間可動橋架設計画」http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/06-02/06-02-1187.pdf 参照)
佐世保市水道計画
長崎県]市当局では佐世保市上水道を実現することとなり来年度予算に新規事業として一部計上することとなった。
ソヴエツト政府
海外]ソビエト政府の鉄道を指導し先般無事帰朝した鉄道省技師加藤伸二氏ら5人の歓迎午餐会を9月28日帝国鉄道教会において開催。当日の参会者約200名、古市・斯波両男爵も来会し、別府丑太郎氏の歓迎辞、加藤伸二氏の答辞、古川阪次郎氏の挨拶などがあった。
行政整理と土木官会議
内務省所管土木関係の行政整理案に対する土木局の反対気勢ますます高まり、急電に応じて馳せ参じた全国土木技術官の緊急会議が10月4日午前10時から神田の学士会館で開かれた。本省技術官首脳部真田(東京)高西(神戸)辰馬(名古屋)坂本(大阪)坂本(仙台)木津(横浜)の六出張所長、物部土木試験所長、東京・千葉・埼玉・茨城・神奈川・静岡の各府県土木部課長、技師ら約50名、それに中川技監、第一・二課長も傍聴の形式で出席し、場内は異常な緊張に包まれた。まず本省谷口技師は二日来の経過を報告、宮本技師から三日の会合において作成した反対決議の説明をなし、次に中川技監は三日次田次官との会見顛末と上司の意向を報告的に説明して谷口技師から決議文または意見書の提出可否について一同の意向を聴取したしと述べて各出席者の発言を要求。第一に金森東京府技師起って「今回の無謀なる整理案に対する我々の反対意見は公正なもので世界がすでに共鳴しているからあくまで貫徹を期さねばならぬ」と述べたのを始め、いずれもそれぞれの立場から反対論を述べ、全国の技術官が団結して内務大臣のみならず大蔵大臣にも直接運動することとなった。両大臣にあてて送る意見書、実行方法、および全国土木部課長あてに送る通牒を作成した。なお全国4500人の判任官もこの運動に合流して同一歩調をとることになった。意見書大蔵省提出昭和7年度予算編成方針に現れたる内務省土木局行政整理案は内務省直轄土木事業の大部分を地方に移管し補助金制度を採用し従来の地方分担金の歳計繰入を廃止することによりて単に形式的国庫予算の緊縮を行ったに止まり国家百年の大計を誤るものにしてかうも事業遂行上の弊害及び不経済を顧みずしかも数千人の官吏及び雇用員の生活を脅威するものなり我等はこれが犠牲たるに忍びずこれに反対す。

囲み記事:称名滝(富山県営称名発電所(出力6000kW)はこの下流約1マイルの地点から取水する)

藤井真澄氏講演
10月7日丸ノ内の海上ビル新館講堂において、土木学会講演会が開催され、『車免に於ける欧米諸国の道路』と題し、内務技師藤井真澄氏の講演があった。いつもながら聴講者の割合に少ないのは多少の理由があるとしてもとにかく他学会に比して土木方面が不振であることを物語るようだ。藤井氏は本年北米合衆国に開かれた万国道路会議に出席し、帰途欧州各国の道路関係を視察して、最近帰朝した新しい土産話を約2時間に渡り述べられた。

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