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第9巻第12号

第9巻第12号 昭和8年12月発行 (1933年)

第9巻第11号第10巻第4号

http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/09-12/09-12-1921.pdf

京都美術館竣功
京都府]3カ年の日子と100万円余りの工費を投じて、京都市岡崎公園南側、平安神宮の朱塗りの大鳥居を前に壮麗優雅を極めた美術の殿堂が完成した。京都市が御大典記念事業として計画したもの。11月13日竣工式。デザインは懸賞募集の結果東京市の前田健二郎氏の設計図案が一等になり、この設計に基づいて京都市営繕課が手を加えたもの。工事は清水組京都支店が当たり監督一切は市役所営繕課が従事。
東京市臨時建設部
東京府]東京市では今回市庁舎建設地を月島第四号埋立地に決定するとともに連日その実現を期すべく着々準備中(第7巻第7号に関連報)。総工費900万円以上にのぼる大庁舎のことなので慎重な態度で臨み、まず今回市土木局内に臨時東京市庁建設部を新設、同部長には現市第三助役鷲尾弘準氏には穴津藤作氏を兼務させ万全を期することとなったが、目下同部では審査員の選定中でこれが決定し次第審査委員会を開き懸賞募集設計規定につき協議することとなった。
磐城セメント七尾工場増設
石川県満州国における土木事業の隆盛でセメントの大量注文があり、内地の各セメント会社では非常な活況を呈している。今回さらに15万樽の注文があり、去る4日大阪市においてセメント協会の会議を行なった。その結果磐城セメント七尾工場が引き受けることになり、七尾工場では工場の増設工事を急いでいる。12月初旬竣工の予定。現在同セメント七尾工場における生産能力は1カ月1万7000樽なので、今回の注文は約1カ年の生産高に相当する。
今明年度着工の改築駅
鉄道省では9年度以降において積極的に全国腐朽駅の改築を行なう意向を有し、このほど各鉄道局に該当駅の調査を命じた。本年度中に着工の予定、あるいは9年度以降に着手すべきもので本省において設計中のものは次の通り。△本年度中に着工 小樽駅、奈良駅、酒田駅(いずれも9分通り設計終了)△9年度以降 本省庁舎(6分通り設計完成、既報の通り地上8階、地下1階一部2階、工費900万円)、名古屋駅(近く設計完了、近々設計問題が提出されるはず、地上5階、地下1階、工費500万円)、大阪駅(ステーションホテルを設けるか否か未決定のため設計進行せず。ただし高架下の工事完了のうえ着手されるため10年度になる見込み)△改築計画中のもの 静岡、秋田、青森、沼津各駅
室蘭埠頭設備完成
北海道]東洋一の称ある北海道室蘭の海陸連絡施設は、トランスポーター、ミール、カーダンパー、ローダーなど完備し、昭和3年以来430万円を投じてきた。11月中に予定通り完工するが12月早々にこの総合的試運転を行なう予定で、この石炭積込機が全機能を発揮する時は10時間に約1万2000トンの石炭を積むことができるもので、同設備の完成は室蘭埠頭の大偉観として、またその活動は今後高架桟橋にかわって非常な貢献をするものと見られている。
名古屋市の新下水道工事
愛知県]名古屋市では工場誘致と中川運河沿岸の工場地帯の発展を促進するため、中川運河から堀川までの地域と築港から名古屋貨物駅付近に至る一帯の地域300万坪に渡り、7年度から7カ年継続、工費725万円をもって下水道工事を実施することになった。設計はすでに完了、目下財政計画の立案中。中川下水処理場は中川運河閘門付近に新設、汚泥沈下装置によって浄化し名古屋港に放流する設計で、これによって同処理場では1日250トンの汚泥を生じるので、庄内川河口に新設される寛政汚泥処理現場にポンプで陸送し乾燥肥料として販売する計画。
日電鐘釣発電所計画
富山県]日本電力株式会社が富山県黒部峡谷に建設せんとする鐘釣発電所(黒部川第二発電所)は総工費2100万円という巨費で、土木費だけでも700万円にのぼる、まさに近来希有の大土木工事。同社土木部工務課ではこの設計一切を完了し、去る6月一流請負業者六社を指名して、それぞれ図面仕様書の交付を終わるとともに指名請負業者を招致して両三日にわたって現場説明を行なった。鐘釣発電所は先に完成している柳河原発電所(出力5万700KW)よりもさらに黒部川を上流に遡った猫又−小屋平間6キロに隧道式の水路を設け、また木屋平の堰堤には雪国独特の新考案を廻らすなどの方法により出力6万5000KWという我が国最大の出力を目指すもの。工期は3カ年、昭和11年いっぱいをもって竣工する予定。
信濃川本流堰止工事
新潟県信濃川電気事務所では取水口堰堤左岸部工事施工にともなう本流堰止め工事を、栗原、間、鉄道工業、西松、鹿島、西の6社指名のうえ入札に附された結果、34万7800円をもって栗原源蔵氏に落札した(現在右岸部工事中)。竣工は明年夏の予定。
安積疎水路改修着工
福島県福島県安積疎水組合では協議会を開催し、かねて計画中の同疎水第五分水路以下二十番隧道より三十五番隧道に至る15隧道の改修問題を協議した結果、9年度において工費45万円で改修を行なうことに決定した。
神戸裏山開発工事
兵庫県]工費50万円余りで工事中の神戸裏山開発土木事業は8年度は22万円余り、9年度は30万円余りの予算であるが、目下第一工区である修民教養所から城ヶ口を経て錨山西側に至る延長1580mの土工はほとんど完成、第二工区の半分位を残しているが、これも年内には8年度分を完工する予定。追谷墓地より城ヶ口谷への隧道も予定通り進んでいるので昭和9年度末頃には幅7m延長6200m、塩ヶ原に至る大自動車道が予定通り竣工する。
富山県貯水池第一期工事
富山県]県が25万円の巨費を投じて西礪波郡美山村吉見谷に建設中だった小矢部川沿岸用水補給の貯水池は第一期工事のみ関係者の検査を受けた(9日)。第二期工事の溜め池塗上げ工事は明春雪解けを待って着工の予定で、これが第一期工事の貯水池掘削に要した工費は15万円。

囲み記事:来島良亮氏、鶴田徳子嬢(鶴田勝三氏二女)の訃報。

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