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第11巻第3号

第11巻第3号 昭和10年3月発行 (1935年)

第10巻第6号第12巻第4号

http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/11-03/11-03-2125.pdf

土木部課長異動
静岡県土木部長木村憲七郎氏の逝去にともない内務省では次の異動を行なった。西義一氏 千葉県土木課長→静岡県土木部長宮崎正夫 東京府土木部港湾課長→千葉県土木課長なお長崎県土木課長の長浜時雄氏が休職となったため次の異動があった。浅見洋氏 福井県土木課長→長崎県土木課長谷堅氏 佐賀県土木課長→福井県土木課長水谷鏘氏 愛知県土木部技師→佐賀県土木課長
関門トンネル愈実現
福岡県][山口県]かねてから懸案の関門海底連絡トンネル案につき、鉄道省では昭和11年度より着工する方向で目下工務局にて準備中である。同案の内容は下関側幡生より彦島を通じて門司市側大里まで、陸上9km海底1km6の隧道を開削せんとするもの。海底隧道は単線2本とし、内務省案の橋梁による自動車輸送計画を取り入れて隧道内に鉄道線路のほか自動車道路も設け、予算3600万円、4カ年継続事業として起工される模様である。隧道両口は50分の1勾配で海面下100尺の個所を通ることになる。工法は地質の関係上陸上でコンクリート管を造りこれを敷設するいわゆる沈埋式を避け、もっぱらシールド工法により幅3.8m高5.5mの隧道を作るもの。
ハドソン河底隧道
海外]ニューヨークとニュージャージーの両州を隔てるハドソン河底60尺の地の底で大河底隧道工事が進行中。ニューヨーク・ホーランド・トンネルと称せられ、連邦政府がニューヨークとニュージャージー両州間の自動車交通(自動車専用道)として構築するもので、総工費は3750万ドルと云われている。この工事では爆発の危険を避けるため一切の火気が禁じられ、労働者は煙草を一本も吸うこともできず、また面白いことには口笛も吹けないということである。もっとも口笛は禁じられているのではなく、吹こうとしても気圧の関係でヒーともスーとも鳴らぬのだそうだ。
チタ庫倫間鉄道大幹線着手
海外]モスクワ人民交通委員会ではモスクワ・クーロン両政府の間の契約に基づき露蒙両国をつなぐ大鉄道幹線の敷設を実施することとなり、まず第一期事業としてチタ・サンベー・クーロン間の鉄道建設工事を開始した由。同鉄道は全線2000キロ余りで材料運搬その他工事上種々の難工を思わせるものあり、完成には相当の日子を要する見込み。
日本一の高原観光鉄道
長野県]八ヶ岳の裾野を南北に貫く小海南北線(小淵沢−小海間)が8月から全通。現在北線は信濃川上、南線は清里まで達し、両駅間13キロ4がつながり、その中間の野辺山原に野辺山駅が出来る。延長48キロ、小海から小諸まで旧佐久鉄道によって連絡し、中央線と信越線を連絡する最短距離が実現する。小海線は標高平均1200m、各駅の標高は甲斐小泉駅1158m、清里駅が1280m、新設の野辺山駅のほぼ同高度で日本一の高さにあり、南米アンデス越には比すべくもないが我国鉄としてはこんな高いところに敷設された線は初めてで、日本一の高原鉄道になるわけである。同線は純然たる観光線として最新式流線型ガソリンカーを運転することになっている。
東京市家畜市場
東京府]東京市が芝浦三号地に建築中の家畜市場及屠場の中鉄筋コンクリート12棟はだいたい工事完成し3月上旬家畜を収容することになった。その他は4月上旬完成する予定。完成せる畜舎の内、4棟は養豚舎、8棟は牛馬舎。養豚舎は1棟の間口15m6、奥行29mで収容豚数500頭、牛馬舎は1棟の間口18m4、奥行29mで収容牛馬70頭。市場竣工と同時に業務を開始し、家畜運送のため省線品川駅より引き込み線を敷設することになった。
仏教会館建設
全日本仏教青年会連盟では昨夏東京で開催された汎大平洋仏教大会において決議された仏教会館建設案に基づき協議中だったが、聖徳太子御命日の2月22日正式に会館建設を決定、工費200万円で神田の聖橋付近に土地を選定することになった。同案によると敷地約1000坪、建て坪600坪、建物は聖徳太子殿を中心として、両翼および後方に聖徳太子建立にかかる天王寺四院を模した建物を造り、講堂、事務所、仏教図書館、同博物館、宿泊所などを設備し、オリンピック大会および万国博覧会開催の1940年までに完成する予定。なおこの設計には伊東忠太博士が当ることになっている。
東京外語校舎新築
東京府]東京外国語学校の新校舎建築は大震災以来久しい間の懸案であったが、現在のバラック校舎もすでに10年以上経過し、ことに4年制となって教室に不足しているので、いよいよ新築することになった。敷地も王子区十条の元陸軍火薬製造所跡に決定し、新年度早々請負入札に附すはず。なお同建築の設計は目下大蔵省営繕管財局第三製図掛において進めつつあるが、大体鉄骨鉄筋コンクリート造4階建延べ坪1500坪余りとなる模様。
村山に電波の監視所
東京府]最近無線電話の発達に伴い、遠く海を越えてくる怪放送や国内における違反放送に悩まされているが、これらは無線時代の波に乗って今後ますます頻発すると予想される。そこで東京逓信局では10年度予算に10万円を計上し、東村山に無線電波方向探知装置を設備し、これを厳重監視することとなった。
東京港一号上屋竣功
東京府]昨年8月以来大倉土木の手で工事を進めつつあった東京港の上屋2棟のうち1号上屋が一足先にほぼ竣功した。同上屋は鉄骨造平家建延べ坪1000坪・スレート葺鉄板張りで相当大規模なもの。雨仕舞を考慮し屋根を5寸勾配とするなど市港湾部で特に苦心を払って設計したものである。ちなみに来4月1、2、3日の3日間に渡って挙行される東京港修築完成記念みなと祭りにはこの上屋が式場に充てられることになっている。
日産ビル愈々着工
東京府]芝区田村町1の2に新築することになった日産ビル工事は中央土木の手で目下杭打工事中だが、同敷地は元外濠の埋立地なので地盤が幾分弱く、杭打および基礎工事には周到の注意が払われている。同ビルは鉄骨鉄筋コンクリート造、地下共9階延べ坪約8000坪で、日比谷の三信ビル(第6巻第7号参照)よりなお大きく、竣工の上は道路を隔てて新築される予定の放送局の大建築と並んで偉観を呈するはず。工費350万円、4月いっぱいに杭打ちを終わり、5月早々基礎工事にかかるはず。

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