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第8巻第4号

第8巻第4号 昭和7年4月発行 (1932年)

第8巻第3号第8巻第5号

http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/08-04/08-04-1628.pdf

※写真 空から見たソビエトロシア大使館(昨秋竣工)

鉄道

大阪城東線落成
大阪府]電化される同線工事は一部失業救済事業として大阪改良事務所の手で進捗中だったがこのほど完成、24日夜線路切り替えを行なった。本線が電化されるのは明年1月1日からの予定。
参急新線開通
三重県]かねて施工中の参宮急行電鉄津延長線が3月中には完成する。電鉄ではいよいよ4月3日より新線の運転を開始することとなった。延長線には現在の津新町から省線津駅に至る延長は2キロ3分の新線で津駅構内で省線に連絡する。これがため大阪方面より四日市及び名古屋方面へ向かう旅客はすこぶる便利となり同時に同市付近の交通に一大エポックを劃することとなる。
鉄道交通の懇話会
国有鉄道と民間私鉄事業者そのた各種の交通機関の統制を図らんがため、鉄道省内に陸運統制委員会を設置。さらに新しい試みとして外部と鉄道当局との接触を図るため、今後折にふれて交通懇話会なるものを開催することに決し、その第一回として3月9日正午より鉄相官邸に鉄道出身の交通界の元老たる野村龍太郎、古川阪次郎、中川正左、岡野昇、青木周三、八田嘉明、岡田竹五郎安次郎、杉浦宗三郎諸氏を招き、本省側からは床次鉄相をはじめ久保田、荒尾両次官、野田参与官以下各局長、各幹部課長を出席せしめ、我国交通界の現状および将来の統制対策につき隔意なき懇談をとげた。

道路

湘南遊歩道
神奈川県神奈川県営湘南遊歩道の計画は4月から着手することになり、第一期工事として7年度に施工する区域(37万円を投じて大磯片瀬間を施工する計画)を調査中であったが、その結果更に逗子町より片瀬まで延長することに変更された。
橋梁
豆津橋竣工式[福岡県][佐賀県]福岡、佐賀両県を連絡する府県道神崎線中筑後川に架設中の豆津橋がこのほど竣工。3月19日現場において中川福岡、早川佐賀両県知事主催のもとに盛大な開通式を挙行。日本最初の鉄筋コンクリート造ゲルバー桁橋で九州帝大の鉄筋学の大斗吉田博士が特に指導の任に当ったものである。宮崎県耳川に新橋梁[宮崎県]同県当局で目下改修中の国道中、耳川に新橋梁を架設することになった。場所は東臼杵郡岩脇村と児湯郡美々津町の境、新設橋梁は総工費24万6000円、県下第一の橋梁。橋長165m半、幅員7m半、2ヒンジ式鋼拱橋(径間64m2連、17m6 2連)。港湾
和歌山築港起工式
和歌山県]3月5日海草郡湊村鼠島の現場で盛大に挙行。築港計画は内務省で施工した紀ノ川改修工事の付帯工事として県より内務省が依託を受けて施工するもの。全く新例と称すべきもの。総工費170万円、6年度以降7カ年の継続事業。計画大要は河口に沿い2100mの防波堤を設け、さらにこれと対して480m(nagajis注:10のケタかすれ)の防波堤を築造、12万2000平方メートル(大部分水深干潮面以下4m50cm)の内港を設けるほか10万5000平方mの貯木場、4095mの護岸を築くこととなっている。
水道
神戸上水道[兵庫県]神戸上水道の第2回拡張工事はこのほど完成。3月12日盛大な竣工式を挙げた。この工事は大正14年着工、6カ年の年月と994万円の巨費を投じて竣成したもので、工費の主なものは千刈水源地の堰堤20尺をかさ上げ、武田尾の水管橋、生瀬上ヶ原間のトンネル、上ヶ原浄水池の機械濾過池、上ヶ原会下山間の36インチ鉄管の新設、灘方面における延長25里にわたる鉄管の敷設、同三配水池の新設、平野浄水池の機械濾過2個の増設等で、この拡張工事の結果、市の配水戸数は6万1200戸分を増加して16万1200戸となり、配水能力において充分な余裕を残すことになった。桐生市水道[群馬県]同工事は水源工事の大半を終え、一般冷水工事を開始しているが、現在の工事進捗状況より見れば3月いっぱいに水源工事を終わり4月中旬通水の見込み。

建築

文部省上棟式
東京府]文部省新築庁舎の上棟式は予定のごとく36月10日(注:原文ママ)午前10時東京市内麹町虎の門新庁舎において挙行された。文相鳩山一郎氏をはじめ関係者一同参集、古式に倣って無事終了。新庁舎は総工費250万円を計上、昨年6月起工されたもの。竣工は昭和8年度末で、主体工事は大林組請負で目下鉄骨の組立を終え、近くコンクリートの打込みを開始するはず。

人事

志賀僑介氏
高等官二等に叙せられたる鉄道省工務局技師の同氏、鉄道省を退く、今回宮地鉄工所の顧問となった。
森川藤次氏
高等官二等に叙せられた東京鉄道局技師の同氏、今回依願免退官。
土木部長および課長の移動
昨年12月1x日(nagajis注:文字掠れ)犬養政友会内閣成立後に地方長官の大異動があり、続いて府県土木部課長に次の移動があった。三輪周三氏 大阪府土木部長(前任兵庫県)/吉岡計之助氏 兵庫県土木部長(前任静岡県)/木村憲七郎氏 静岡県土木課長(前任富山県)/西義一氏 千葉県土木課長(前任埼玉県)/田中三郎氏 埼玉県土木課長(前任岩手県)/上野節夫氏 岩手県土木課長(前任広島県)/後藤季聴氏 広島県土木課長(前任岐阜県)/岩崎雄治氏 岐阜県土木課長(前任茨城県)/荒木栄二氏 茨城県土木課長(前任奈良県)/渋江武氏 依願免大阪府土木部長/東森蔵氏 依願免千葉県土木課長/上田柳一氏 奈良県土木課長(前任兵庫県)/春藤真三氏 富山県土木課長(前任神奈川県)/菅良二氏 徳島県土木課長(前任山形県)/木幡長命氏 山形県土木部長(前任岐阜県)/丸山悦三氏 秋田県土木部長(前任熊本県)/桝井照蔵氏 熊本県土木課長(前任青森県)/三浦義太郎氏 青森県土木課長(前任宮城県)/土肥憲二郎氏 福島県土木課長(前任大分県)/中川熊雄氏 大分県土木課長(前任福井県)/浅見洋氏 福井県土木課長(前任東京土木出張所)/斎藤英夫氏 依願免官三重県土木課長
囲み記事 西野喜一氏近影 東京市水道局拡張課の溶接鉄管敷設工事に現場主任として活躍
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工学会大会第二回の開催/大河戸宗治博士の混凝土講演

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