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第7巻第8号

第7巻第8号 昭和6年8月発行 (1931年)

第7巻第7号第7巻第9号

http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/07-08/07-08-1487.pdf

三国橋開通式渡良瀬の偉観
茨城県茨城県が中心となって、利根川中流渡良瀬川筋に架設工事中だった三国橋が愈々竣工。7月6日盛大な開通式を挙げた。橋長545.5m、中央径間タイドアーチ65m3連、両側径間プレートガーダー20m18連。総工費50万円で、その名のごとく茨木栃木埼玉の三県に跨がり、工費も茨城5割、栃木埼玉各二割の分割支出。(写真:新橋架設以前における賃取り船橋)
関門連絡問題に内務省が乗り出す
山口県][福岡県]本年4月号誌上に発表した大吊り橋の計画等によりいよいよ気運の熟してきた同問題に関しては、すでに該地点の地質調査を了したる鉄道省および内務省、民間有志などが合併して調査を進めることとなった。今回内務省では臨時道路会議を設け、鉄道、内務、陸海軍の各省および民間の経験者の網羅して来年度より三ケ年計画のもとに同問題解決のため諸般の事項を調査することとなった。なお内務省においては関門海峡トンネル開削ならびに付帯設備に関する総工費として現在約3000万円見当を見積もっている。
清水隧道九月開通
新潟県][群馬県]世界第九位の延長を有する清水隧道ならびに上越南北線工事は、昨秋同隧道貫通後9月1日開通と決定した。
愛知県矢作川改修工事認可
愛知県愛知県では矢作川の改修に応じて支川安永川および五六川沿岸耕地の排水状態を改良することとなったため、県営の用排水幹線を計画し、農林省の補助を受け前記河川の改修工事認可を申請中だったが、多少の条件付与にて認可された。工費55万円、うち43万円は国庫補助、残部12万円は県費をもって充当する。
囲み記事・ウオセクリーター完成
1月号に紹介した真鍋武雄氏発明のウォーセクリーターが今回製作・完成。(「混凝土材料配合装置ウォーセクリーターに就て」http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/07-01/07-01-1370.pdf
堰堤日本委員会事務分担決定
世界動力会議国際大堰堤日本国内委員会専門委員は10日、東京市丸ノ内電気クラブに第二回事務打ち合わせ会を開催。専門委員を二班に分類してそれぞれ研究項目の割当て方につき協議があった。これにより今後同専門委員は各自担当の研究問題を解決するに努力することとなるもの。
戸畑市水道通水式挙行
福岡県]戸畑市水道では工事中の水道が竣工し10日天神山浄水場内にて盛大な通水式。同工事は総工費125万円余。昭和4年5月の起工。オゾン減菌機の設置が特色。
東京市河港課運河新設計画
東京府]東京市河港課が本所深川方面はもちろん東京市内の海運業者の大いに福音となる計画をたてている。横十間川筋を東京湾に連絡するため、工費30余万円をもって運河を新設、延長300m、幅員40mを開削するもの。これが完成の暁には同地が鉄道省の越中島停車場の北側に直面しており、この方面の水運業者とって非常に便利となり、東京港との連絡も本所深川方面はかえって近距離となる。
九州横断の国際観光道
長崎、別府、大分、熊本、佐世保、神戸各商工会議所では、神戸−長崎間の代表的景勝地を連絡する九州横断国際観光路大幹線を設定し、交通網の整備と交通設備完成の徹底を期せんがため、関係方面で必要な建議書を提出した。このほど長崎で協議会を開催、一.国際観光路の交通整備および施設の改善促進に関する件一.旅館及びホテルの新設改善を期し、これに要する資金を国庫より低利融資することその他につき協議した。
信濃川発電施工伺
新潟県]鉄道省信濃川水力発電所建設に関して今回同事務所より水路取入口の設備、沈砂池、水路の施工について伺が提出された。
豊橋市下水道七ケ年継続で
愛知県]豊橋市は市内下水道を抜本改善すべく調査設計を行ってきたが、先頃の市会において単なる改築ではない大々的な下水道計画を決議し、一方失業救済と関連させてこれを実施することとなった。工費314万9000円、本年度より昭和12年度まで7カ年継続事業。

写真:九大線の日田。7月11日久留米側の筑後吉井、筑後大石間営業開始。日田町全景、三隈川の隈浦より銭淵橋を望む、水郷日田・三隈川の舟下り。

写真:京阪国道御幸橋

林野局が桧材宣伝
帝室林野局では従来一般に桧材が高価扱いされているのを打破し、実用向き建材として木曽桧を普及すべく大いに努力中であるが、保存力、堅牢度においては到底他材の比でなく、よく拭き込んだ桧材には格別の美観があり、大節小節の使い方によっては頗る雅趣があり、実用と美観との点で申し分なく、費用も木曽桧の安いものを使用すれば、他の木材より一割増位でできると。
関門地質発表
山口県][福岡県]鉄道省工務局佐伯技師は鉄道省関門隧道出張所に約4カ年間在任し、同地方の土質と水に関して実地研究を行ない、その後同出張所廃止後も引き続き学理と実際について研究を進めている。近く「水の循環と地下水」と銘打って多年の蘊蓄を著述として発表することとなった。
鉄道省高等官の大異動
大騒ぎのあった減棒問題もやっと決定し、ついで局課廃合を前提とする人員の大整理を発表して、鉄道省は時ならぬ嵐を生じた。江木鉄相と青木次官が技術に理解のありやなしやは今後国鉄の内容充実に非常な影響を及ぼすものと思われる。七月一日発表の高等官整理人員77名に及ぶ。そのなかから主要なる工事関係の異動を見ると次の通り。

異動
黒河内四郎 建設局長→工務局長兼任
永田民也 工務局保線課長→監督局技術課長
竹股一郎 東京建設事務所長→熱海線建設事務所長兼務
木村芳人 大阪改良事務所長→東京大一改良事務所長兼東京第二改良事務所長
古川淳三 神戸改良事務所長→大阪改良事務所長兼務
松村務 東鉄改良課長→東京鉄道局保線課長兼務
森田重彦 東京電気事務所長→東京鉄道局電気課長兼務
太田明治 監察官→工務局保線課長
退職
工務局長 大河戸宗治
東京第一改良事務所長 橋本敬之
東京第二改良事務所長 池田嘉六
監督局技術課長 田中九一
熱海建設事務所長 川口愛太郎
工務局計画課技師 佐伯謙吉
東京第二改良事務所技師 吉原美作
大阪改良事務所技師 萩村金一郎
神戸改良事務所技師 奈良崎泰治
建設局計画課技師 横尾彦太郎
岡山建築事務所技師 石田憲樹
熱海建築事務所技師 橋本哲郎
門司鉄道局長 米山辰夫
東京鉄道局保線課長 岩井宇一郎
東京鉄道局改良課 久米巌
長野保線事務所長 柏原甚三
甲府保線事務所長 伊藤亀太路
門司保線事務所長 相沢一馬
秋田保線事務所長 山口倫三
釧路保線事務所長 宮下道一

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