!!!関連報 :[第2巻第6号]関門トンネル:[福岡県][山口県]鉄道省門司改良事務所大井上技師が主任となり調査の結果、沈埋管方式で建設することに。 :[第2巻第10号]関門トンネル工事:[山口県]9月8日の鉄道省会議で第2巻第6号報のごとく沈埋管式で17年度より着手に決定。 :[第2巻第12号]関門隧道:[山口県][福岡県]技術的問題を検討するため?斯界の権威を招待して関門隧道会議を開催。席上議論が多く特に軍部からの要請多し。いずれにしても大正23年までに開通予定、本年度中に80万円で充分な調査を行なう。第2巻第6号、第2巻第10号に関連報。 :[第3巻第1号]関門トンネル着手期:鉄道省予算省議で関門トンネルの工事につき16・17年度に渡り調査を行ない18粘土より着手することに大体決定した模様。調査費80万円。第2巻第6号、第2巻第10号、第2巻第12号に関連報。 :[第3巻第4号]関門海底トンネル:[福岡県][山口県]工事の実測について陸海軍内務省により諒解を得、門司鉄道局と本省工務局下関派出所とで3月20日頃から着手する見込み。過去報いくつか。第2巻第6号、第2巻第10号、第2巻第12号、第3巻第1号 :[第3巻第5号]関門海底:[福岡県][山口県]4月15日、下関市彦島の第一孔地下50尺で閃緑[王+分]岩の層に当たる。佐伯理学士による調査研究が進行中。 :[第3巻第7号]海底隧道:[福岡県][山口県]関門トンネルの陸上地質調査が終わる。8月から海底地質調査へ。第2巻第6号、第2巻第10号、第2巻第12号、第3巻第1号、第3巻第4号、第3巻第5号に関連報。 :[第3巻第8号]関門海底:[福岡県][山口県]関門トンネル工事。目下海中30mのボーリング作業を実行中。作業に使う浮足場は高さ40フィート縦43フィートの鉄筋コンクリート製台盤に直径高さ各16フィートの円筒形空気タンク(353トンの浮揚力)4個が据えてある。(第3巻第9号「関門間大瀬戸地質調査浮足場」http//library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/03-09/03-09-0574.pdf) :[第4巻第1号]##:関門隧道 明年度はなお調査を進める。予算30万円。 :[第4巻第1号]関門海底の漂砂調査:[福岡県][山口県]鉄道省工務局関門派出所、海峡海底の砂流を調査へ。厚さ3mもある漂砂が6マイルの潮流のために昼夜4回も移動するため、関門海底トンネルを沈埋式にした場合に工事にどのような影響が出るかを調べる。第3巻第8号ほか。 :[第4巻第4号]関門トンネル五年度着手:[福岡県][山口県]沈埋式による時は工費約2300万円、シールド式による時は約3000万円という大井上技師の調査報告を受けいよいよ本設計へ。4年度ないし5年度初旬には設計を終え、5年度内に工事着手へ。昭和9年度あるいは10年度までには完成を見込む。 :[第4巻第12号]関門隧道調査進捗:鉄道省の関門隧道建設調査について。海底地質、状態、海流速度、船舶の通過量、陸上の測量などの調査も順調に進捗。隧道建設も可能であろうという見込みが立ったので昭和5年度より6カ年継続事業として2000万円の予算を計上し具体的な設計へ取りかかることになった。路線は幡生より小瀬戸の埋立地に依り彦島に至り、2000mの海底隧道によって大瀬戸を横断、新町に上陸、小倉に至るもの。海底隧道の建設方法は沈埋式が有利か。 :[第5巻第5号]バー博士歓迎講演:バー博士の来朝を機に盛大な歓迎会を予定。またこの機会に関門海底トンネル工事および東京地下鉄道工事に関してバー博士の意見発表を乞うことになっている。 :[第5巻第5号]関門海峡第二期工事:[福岡県][山口県]海峡西口より周防灘に至る航路を36尺に浚渫し東口における中央水道を26尺に浚渫、船舶の通航を整理するもの。総工費60万円、該計画中急施を要する個所を昭和4年度において施行する。 :[第5巻第5号]木津正治氏:3月下旬、内務省下関土木出張所より横浜土木出張所長に栄転。明治40年の東京帝大土木科出身、関門工事に精勤。ドイツ・ハンブルグ港の研究家としても知られる。 :[第5巻第12号]錦帯橋:[山口県]山陽線麻里布藤生間の複線工事に先駆けた調査で、同区間の今津門田両鉄橋橋脚が約1寸弱低下しているのが発見された。さらに地質調査を行なったところ、同地帯にある錦帯橋にも同一状態の下に橋脚が低下、今日では約1寸弱も下がっていることが判明。近く鉄道省工務局関門派出所の佐伯技師が調査に出向くことになった。 :[第6巻第1号]鉄道改良計画委員会 関門隧道計画案に始る:鉄道省では5年度以降の鉄道改良計画の根本的立て直しを行なうため、青木次官を委員長とする改良計画委員会を組織。11月19日に委員を任命、同20日第一回計画委員会を開いた。新施設として同委員会に付議された関門トンネル計画案(5カ年計画・工費2200万円−3000万円で山口県幡生駅から分岐し彦島に入り大里と小倉の中間の新町に至る2マイル弱の新線を敷設、これによって九州と本州を連絡するもの/彦島南端から新町に至る海底トンネルが最難工事でこの設計のために2カ年かかった)については最善を期するため目下来朝中のニューヨーク地下鉄道技師長リッジウェー氏に委嘱し11月29日実地調査を乞うた。 :[第6巻第1号]鉄道協会の講演:昨年鉄道協会にてツエッペリン飛行船の来航に関する講演などがあった。11月19日のニューヨーク市高速鉄道技師長ロバート・リッジウェー博士によるニューヨーク市地下鉄の工事説明は非常に参考となった。当日は八田前鉄道次官がリ博士を紹介し、安倍東京市電高速鉄道課長なども説明を助けられた。翌20日には鉄道省工務技師柳生義郎氏が沈埋式による水底隧道の工法を米国の実例により幻灯および多数の図面にて3時間半におよび詳説するところあった。その一部は本号にも紹介している。なおリッジウェー博士は丹那隧道や関門隧道の設計に寄与せられた功績を認められ勲三等に叙せられるとのこと。 :[第6巻第9号]関門隧道中止:[山口県][福岡県]関門連絡トンネル工事の起工は他の急を要する改良工事に予算が不足している現状をもって実現困難とされ、このために特設された関門派出所を近く閉鎖することに内定した。第4巻第4号、第4巻第12号、第6巻第1号等関連報。 :[第7巻第2号]1931年の関西土木界:大阪で一番目立つのは283万円を追加計上した失業救済事業。土木費に約200万円を投じて国道第二号線枚方京都府間、大阪池田線都計道路終点豊中町間、大阪奈良線都計道路終点龍華寺間、高槻枚方線、大冠村高槻町間の改修にあて、建築方面では水上署12万円(2階建延べ坪186坪)今宮中学校改築に39万9000円(延べ坪1116坪)を計上し、さらに狭山池第二期用水改良事業に18万円を取っている。また大阪市では市ホテル(350万円)、小学校改築(35万円)、鯰江川改修(31万円)がめぼしいもの。一方民間では南海第四期、阪急第二期、大阪瓦斯歌舞伎座など、大阪改良事務所は城東線高架も大工事の一つであろう。京都府では土木費60万9916円、都市計画事業費3万9026円、病院費18万6383円、さらに臨時費として土木費68万1017円を計上しているが挙げるべき大工事はない。兵庫県は相当注目すべきものがあり、神戸市の改良住宅(40万円)を始め県営商業移転費22万820円、龍野、安積両警察署改築費9万3400円、柏原中学校堂建築、姫路高女講堂建築があり土木費として104万4000円余りが計上されている。和歌山県下は土木費を70万円弱、都計費1万3800余円、教育費120万円余中の約2割は学校増築費に充当せられる予定である。なお右のほかに製鉄所、小倉工廠の二大増設工事、大阪高速鉄道第一号線第二期工事、宮崎県庁(30万円)、野田第二期工事、尾道港修築(32万円)、関門海峡改良費(35万円)、博多港修築(50万円)、大阪天神橋、木津川新橋(各100万円)、大阪商大改築費などなど、「数え来れば好飼猶山積の有様」である。 :[第7巻第6号]門司連絡鉄道:4月号に発表した九州−本土連絡大吊橋の建築計画は着々と具体化し、会社創立に向かって進行を見ているが、今回同社創立事務所では発起人太田黒九軌社長および関門両市長以下知名実業家20名の連署を以て下関市役所に対し事業計画書を添えて願書を提出。市当局では次の市会で該当計画に対する支障の有無を諮問することになった。設計書によれば鉄道及電車が市内に乗り入れることになるので重大視されている。(第7巻第6号「<三大工事計画>」http//library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/07-04/07-04-1405.pdf 参照) :[第7巻第8号]関門地質発表:[山口県][福岡県]鉄道省工務局佐伯技師は鉄道省関門隧道出張所に約4カ年間在任し、同地方の土質と水に関して実地研究を行ない、その後同出張所廃止後も引き続き学理と実際について研究を進めている。近く「水の循環と地下水」と銘打って多年の蘊蓄を著述として発表することとなった。 :[第7巻第8号]関門連絡問題に内務省が乗り出す:[山口県][福岡県]本年4月号誌上に発表した大吊り橋の計画等によりいよいよ気運の熟してきた同問題に関しては、すでに該地点の地質調査を了したる鉄道省および内務省、民間有志などが合併して調査を進めることとなった。今回内務省では臨時道路会議を設け、鉄道、内務、陸海軍の各省および民間の経験者の網羅して来年度より三ケ年計画のもとに同問題解決のため諸般の事項を調査することとなった。なお内務省においては関門海峡トンネル開削ならびに付帯設備に関する総工費として現在約3000万円見当を見積もっている。 :[第8巻第8号]関門架橋委員調査:九州本州を連絡する内務省の関門架橋計画は、さる臨時議会においてこれに要する調査費3万円が追加予算として通過可決した。同省土木局ではさっそく陸海怒濤局の諒解を求めると共に鉄道、逓信各関係者をもって調査委員会を組織し可及的速やかにその技術的ならびに経済的の調査をすべく着手した。今回の内務省案は2階建の橋梁とし上を人道および車馬道として下に鉄道を敷設するという珍しい構造。 :[第10巻第5号]敦賀港鉄道桟橋改築:[福井県]名古屋鉄道局は敦賀鉄道桟橋の一大改築をするため昨年来港内の波浪と桟橋の影響その他について調査中のところ一段落を告げ、なお地元の敦賀保線事務所石田技手の手元で作成中の工事設計も出来上がったので、いよいよ本月(5月)上旬着工し、今秋11月末竣工の予定。総工費は約20万円で、設計案概要は現桟橋に比し延長16m増し、205m、幅76となり、桟橋付近の浚渫によって水深9mを増し、6000トン級の汽船4隻(現在3000トン3隻)の繋船能力をもつこととなる。竣工の暁は日満欧亜の関門港として完備せる大桟橋が実現するわけである。 :[第11巻第3号]関門トンネル愈実現:[福岡県][山口県]かねてから懸案の関門海底連絡トンネル案につき、鉄道省では昭和11年度より着工する方向で目下工務局にて準備中である。同案の内容は下関側幡生より彦島を通じて門司市側大里まで、陸上9km海底1km6の隧道を開削せんとするもの。海底隧道は単線2本とし、内務省案の橋梁による自動車輸送計画を取り入れて隧道内に鉄道線路のほか自動車道路も設け、予算3600万円、4カ年継続事業として起工される模様である。隧道両口は50分の1勾配で海面下100尺の個所を通ることになる。工法は地質の関係上陸上でコンクリート管を造りこれを敷設するいわゆる沈埋式を避け、もっぱらシールド工法により幅3.8m高5.5mの隧道を作るもの。