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第8巻第9号

第8巻第9号 昭和7年9月発行 (1932年)

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http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/08-09/08-09-1697.pdf

大東京の省線網
東京府]この当時の東京市省線網の伸延計画・電化状況ほか。以下原文ママ。『伸びゆく大東京の交通網完備のため鉄道省では先にお茶の水両国間の電車運転を開始、上野大宮間の電化も来る九月一日開業されるが、総武線の延長、両国市川間の電車運転も予定を半年繰あげて来年三月十五日開始、更に中央線中野東京間の急行電車は来年一月早々運転されることになり鉄道省の近郊電化計画は来春を以て一段落となるに至った。 両国市川間の電化は両国亀戸間電車線増設費六十万円の削減により一頓挫と見られたがお茶の水両国間の新高架線の成績が予想以上に良いので鉄道省唯一の黒字線というわけで総ての新設工事を中止して電車運転の計画を東鉄が立案した。本省で儲かるならばと許可されたもの………。 来春三月十五日には両国平井間四分間隔、平井市川間八分間隔、二両乃至四両編成の電車運転が開始され「国府台の桜は省線電車で………」ということになる、一方中央線の急行電車もお茶の水飯田町間新線増設及び新宿中野間改良工事が来る十一月完成するので急ぐことになった。 ところで新宿駅の改良工事だがまだ東鉄と本省との間には意見の一致は見ないが大体急行電車ホームの新設は中止して現在の列車ホームを使用し、旅客の混雑をさけるため現在のホームの中央を貫く地下道を一本増設、更に小荷物専用の跨線橋を新設するらしい。 急行電車は中野東京間を九分短縮の十四分で新宿、四谷、お茶の水、万世、神田の五駅に停車朝夕ラッシュ・アワーにのみ運転されるので沿線居住の通勤者に非常な福音。 これが実施と共に飯田町駅は旅客扱いを中止し中央線列車は新宿駅に発着、更に両国市川間電化開業の暁には中野、市川間直通電車運転も計画され、名実共に大東京の交通は恵まれる。』
国都線開通式
鹿児島県][宮崎県]両県を結ぶ国都線の開通は今秋全通することになる開通式場問題について、鹿児島側に猛烈な誘致運動が行なわれていたが、このほど11月3日明治節に西都城駅において挙行することに決定。目下工事中の跨線橋も9月上旬に竣工するので同駅では引き続き駅の拡張工事を行ない開通式までに竣工、都城市の表玄関として面目を備えることになった。
順川泉洞間鉄道開通式
満州]経済軍事両方面から期待されている満州の順川泉洞間(32キロ)は10月1日を以て開通式の運び。平壌運輸事務所で同線ダイヤのプランを立てているが、明年平北道熙川に延長開通をみるまでは当分の間平壌駅を起点とする。
軌条寸法ほぼ決定
鉄道省では昨年度初めて24m丁尺軌条の試験採用を行ない、本年度に入ってからは本月初めに北海道・仙台鉄道局管内に試験的に敷設することとなり、製鉄所に発注したものを全鉄道局管内に分布し試験敷設を行なったが大体において成績良好のため将来の軌条寸法をいかにするかにつき研究中。現在では30キロ軌条は20メートル、37キロ40キロの両軌条は25メートルとほぼ決定、将来は重軌条寸法はこのように変更されるだろうと見られている。
浜名湖横断の国道橋開通
静岡県]関東と関西を結ぶ東海道浜名湖を横断する大国道橋が22日に開通。午前11時弁天島にて盛大な開通式、午後は新居弁天で祝賀会を開いた。この橋は浜名橋と命名され昭和2年秋着工、5カ年の日数と工費88万円を費し幅員4間延長中間の埋立地を加えて一里六丁余りの長橋で、省線鉄橋に並行した鉄筋コンクリート造アーチ型のモダン橋。これにより従来浜名湖北岸を迂回した旧東海道は4里余りを短縮されることになった。
福井の九十九橋いよいよ着手す
福井県]福井市の九十九橋は起債認可の指令をうけいよいよ着手の段取りに。同橋は長さ134m、近世式2連続桁橋鉄筋構造で有効幅員12m、中央8メートルが車道で勾配は100分の1、総工費14万7000円を投じる大工事。新橋のみの工事費16万円という同県一の橋梁工事。同橋の特徴は全部花崗岩を使用し橋上に20mごとに高3mの電燈8カ所を設置、同電柱の下は直径1mの半円を描いて通行人の休憩所となるべき物見台様の通行道を作り、橋詰の4個所にはスフィンクスを形どった親柱を建設するものである。
最上川架橋近く着工
山形県]最上郡八向村大字本合海地内を流れている最上川を横断する新庄鶴岡線の架橋について。内務省に対し国庫補助を申請中であったが、3日に指令が発せられたので近く工事を始めることに。形式はゲルバー式、中央3径間20mサイドコンクリートT型14mにして取付道路は227m、総延長180m幅5m50、総工費12万5000円である。
山国橋着工
福岡県][大分県]両県を繋ぐ中津市内の山国橋は両県折半負担で総工費13万47x0円(nagajis注:カスレ)の予算でかけをするべく決定していたが、同橋を管理する福岡県でいよいよ直営工事に取りかかることとなり、広津へ建築事務所を作り本格的に工事に着手へ。超スピードで進めるはずで遅くとも明年いっぱいには幅4間長さ180間8分、橋脚、橋体も全部鉄筋コンクリートの雄大なモダン大橋が竣工するはずである。
富山県小見発電所十月から正式運転
富山県]前号にその水路橋を紹介した富山県営電気小見水力発電所工事は昨春来進められていたが最近ようやく完成の域に達し9月下旬までには逓信省の落成検査も終え10月1日より正式運転が開始されることとなった。ちなみに同発電所の出力は1万1900キロワットであるが、7000キロワットが当事発電され日本電力へ移送されることになっている。
水都の恩人道頓の三百十七年忌
大阪府]水都大阪の水路の恩人安井道頓の没後317年忌の回忌にあたるので、道頓堀と改称した元和元年9月19日に相当する10月16、17、18日の3日間に亜細亜連盟主催で道頓堀川付近で盛大な祭を挙行する。
佐野利器博士清水組を去る
清水組副社長工学博士佐野利器氏は今回都合により辞任することとなった。同氏は先代清水萬之助氏の懇望によって故渋沢栄一氏が斡旋し昭和5年11月清水組に副社長として入社したもので、今日まで1年9カ月である。同氏は今後もっぱら日本大学の工学部長として教育界に貢献するとともに傍ら日本建築界のために尽力されることとなるであろう。
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