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第7巻第9号の変更点

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!!!第7巻第9号 昭和6年9月発行 (1931年)

《 第7巻第8号 |第7巻第10号 》


http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/07-09/07-09-1502.pdf
::新議事堂の竣工期繰上
:::来る第60議会の開院式を建設中の帝国新議院建築で行なうことに決定し、これにあわせて昭和13年3月の竣工予定を昭和9年3月に繰り上げる意見が政府のなかにある。玉座、表面、両翼玄関、両院議場などの重要部分は今秋10月中に完成し、偽印控室や委員会室その他を残すだけなので、かえって13年度まで工事を継続するのは不経済として工事責任者大蔵省工務部も9年3月への繰り上げを要望しているほど。実行予算が決定し、明年度予算編成に着手する時に大体の決定を見るものと言われているが、同建築を4カ年間早く繰り上げることは現議院の移転跡地に逓信省庁が建てられること、また旧逓信省庁舎跡地の払い下げも早まるわけで、一挙両得となるものとして現実味を帯びている。第2巻第1号、第2巻10号、第3巻第4号、第3巻第5号、第3巻第7号、第3巻第10号、第3巻第12号、第4巻第9号(この時点で「工期を2年度繰り上げ昭和8年度とし」とある)に関連報。
::築地本願寺建築 基礎工事に着手
:::[東京府]伊東忠太博士の設計になる東京築地本願寺建築は松井工務所請負のもとで着工準備中だったが、東京市外和田堀への墓石移転工事が完了したのでいよいよ基礎工事を開始した。本月より向こう30カ月間に竣工予定で、総工費150万円。外観はインド仏教式、爪哇(ジャワ)のブロプトルその他インド系地方の様式を適用し内部は本堂純日本式その他古代インド仏教式。正面間口48間、奥行31間、高さ塔部最先端まで110尺、建て坪930坪、延べ坪1961坪で、主な室は本堂の435坪、説教所70坪、小会議所および控50坪、議場70坪、各事務室430坪、読書室および日曜学校51坪、地方僧侶および青年宿泊所50坪である。(このページカット図は本建築正面図)
::境港改修漸く竣功
:::[鳥取県]鳥取県第一の名港・境港の改修工事は、内務省大阪土木出張所の手によって大正11年起工以来8年を経過した今日ようやく竣工した。来月一杯で万事の後始末を終え、県当局に引き渡すはず。

囲み記事:参加自由の第7回全国工業家大会(募集お知らせ)
::土木事業の徹底的計画
:::内務省土木局は本年3000万円の失業救済事業で約100万人の失業者を救済する計画だが、内務省社会局の4月調査による失業者数は40万人を突破する現状に鑑み、明年度はさらに徹底した土木事業の起工が必要として、土木局課長が東京土木出張所長室に会合し新計画を立てている。政府の非募債主義を破り、財源を公債に求めることとして7350万円を計上、総工費5●00万円(nagajis注:カスレて読めず)で中小河川50河川の改修事業3カ年継続、7年度より起工、総工費2200万円(7年度1500万円)で砂防工事を起工する予定。
::大阪府の国道改修起債認可
:::[大阪府]内務省は大阪府申請に係る国道改修費に充当すべき起債金48万7000円を許可する旨指令を発した。
::黒部川に大堰堤を
:::[富山県]県内黒部川流域耕地灌漑のため愛本に大堰堤を築造することになった。計画は当局の認可も得たので直ちに起工準備に着手するはず。堰堤の設備内容は以下の通り。△ローリングダム(取水堰堤川転動堰)工費12万5000円、径間80尺、転堰直径8尺5寸、堰高11尺のもの1連。動力は電動・ガソリン発動機・人力の3系統。△ストーニーゲート(取水堰堤用排砂門扉 転動堰堤両側 各1連)工費4万円、呑口幅員24尺、門扉内径15フィート7インチ、高さ15尺、門扉の開閉は転動堰堤と同様の3系統。
::豊橋水道実地調査
:::[愛知県]豊橋市では工費417万円・7カ年計画で下水道整備計画があり、このほど大体案の成立を見るに至った。しかし市としては近来の大工事であるためさらに案を練る必要を認め、目下実地調査を進めている。
::川内川改修費割当額決定
:::[鹿児島県]多年改修せられていた鹿児島県川内川は本年度からいよいよ河川法の適用を受けて昭和17年度まで12カ年計画で改修することになった(内務省直轄)。工費総額400万円、このうち一部は地方に負担せしめることとなり、その割合がこのほど決定。国庫負担261万50000円、地方負担138万5000円。

写真:関西入りの橋本敬之氏
::工業用語統一委員
:::日本工学会では各種工業における用語の統一を行なうこととなり、今回調査委員を任命して近く第一回会合を行なうこととなった。用語統一については資源局においても着手しており、また各学会においてもそれぞれ用語の統一を試みているが、工学会ではこれらを参考とし、徹底的に統一を計ろうとするもので、審議は相当長期間に渡るはず。委員4名のうち土木学会からは中山秀三郎、中川吉造の両博士が任命された。
::囲み記事:大阪地下鉄工事崩壊事件の真相
:::大阪淀屋橋北詰における4月8日の地下鉄工事崩壊事件発生の原因については、工務審査会における審議の結果を関市長に報告(29日)。『やむを得ざる事故』であって損害は大阪市と工事請負者とがそれぞれ負担することとなった。事故発生源員は以下の通り。
  1.崩壊個所矢板間の切梁は充分な注意をもって施工されたが、内部の土砂掘削
 に従い外部の水および土の圧力によって矢板が多少内側に撓み、矢板外側の粘土
 層に川水が浸入する通路となった。
 2.橋脚部外側矢板の根入が浅かったことが水の浸入を容易にした。
 3.外側鉄矢板(ラルセン型)のオーバーラップ個所における水密養生が不充分
 だった。
 4.内側矢板(テルルージュ型)打ち込みの際にたまたま生じた矢板継目開の個所
 に木製鎧矢板を打ってこれを補ったが、河水浸入を防ぎ切れなかった。
 5.事故発生の2、3日前より矢板内掘個所に相当多量の湧水があったため当日午後
 5時過ぎの掘削程度において臨機に基礎栗石およびコンクリートの充填をなすかも
 しくは湛水その他の適宜の方法を講じれば崩壊を防ぎ得たかも知れないが、その
 当時においては地盤支持力に対する懸念もあり、且つ危険の切迫を察知すること
 ができなかったため処置をしなかった。
 これらによって鉄矢板の間隙およびその下層より浸透する水に対する摩擦抵抗力
 に不足を生じ、締切内に河水噴出し、締切内外の地層を撹乱したため、鉄矢板の
 平衡を失い、切梁は弛散してその用をなさず、ついに外圧のため矢板を押し倒し
 て締切内に河水が奔流した。ただし施工当時にあっては至上の注意と最善の努力
 を払いたるもこれを事前に認識しその対策を講じられなかったことはやむを得な
 いことである。
 

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