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第7巻第2号

第7巻第2号 昭和6年2月発行 (1931年)

第7巻第1号第7巻第3号

http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/07-02/07-02-1385.pdf

※欄外に社会三面記事入る

1931年の関西土木界
大阪で一番目立つのは283万円を追加計上した失業救済事業。土木費に約200万円を投じて国道第二号線枚方京都府間、大阪池田線都計道路終点豊中町間、大阪奈良線都計道路終点龍華寺間、高槻枚方線、大冠村高槻町間の改修にあて、建築方面では水上署12万円(2階建延べ坪186坪)今宮中学校改築に39万9000円(延べ坪1116坪)を計上し、さらに狭山池第二期用水改良事業に18万円を取っている。また大阪市では市ホテル(350万円)、小学校改築(35万円)、鯰江川改修(31万円)がめぼしいもの。一方民間では南海第四期、阪急第二期、大阪瓦斯歌舞伎座など、大阪改良事務所は城東線高架も大工事の一つであろう。京都府では土木費60万9916円、都市計画事業費3万9026円、病院費18万6383円、さらに臨時費として土木費68万1017円を計上しているが挙げるべき大工事はない。兵庫県は相当注目すべきものがあり、神戸市の改良住宅(40万円)を始め県営商業移転費22万820円、龍野、安積両警察署改築費9万3400円、柏原中学校堂建築、姫路高女講堂建築があり土木費として104万4000円余りが計上されている。和歌山県下は土木費を70万円弱、都計費1万3800余円、教育費120万円余中の約2割は学校増築費に充当せられる予定である。なお右のほかに製鉄所、小倉工廠の二大増設工事、大阪高速鉄道第一号線第二期工事、宮崎県庁(30万円)、野田第二期工事、尾道港修築(32万円)、関門海峡改良費(35万円)、博多港修築(50万円)、大阪天神橋、木津川新橋(各100万円)、大阪商大改築費などなど、「数え来れば好飼猶山積の有様」である。
梅田十三・堂島十三線高架地鎮祭挙行
大阪府]大阪都市計画道路梅田十三線中津十三橋間および堂島十三線浄正橋筋十三橋南詰間二道路(いずれも高架)の築造が、市土木部工務課の設計に基づき先基礎杭打より開始。東洋コンプレッソル、武智式の二社が折半受注しすでに東洋の分は中津川より約450本を打込み、武智式も600本ほどの製作を完了したので、来る7日午後2時よりこれが地鎮祭を執行。一橋脚は六本のコンクリート柱よりなりこの一脚に対して66本17尺の基礎杭を打込むことになっており、前記2社それぞれで約2000本を請負い、2月末までにはこの基礎杭打を完了、引き続き上部工事に取りかかる。この高架の下部は市場その他一般の事務所などに利用するよう考究され(第6巻第11号参照)、梅田十三線においては間口8m6、奥行8m6(22坪半)の正方形の部屋が中央歩道(三間)を挟んで75戸あり、堂島十三線には間口6m奥行き6m8(12坪半)の小間が20戸出来る。
囲み記事・大河内甲一氏逝く
目黒蒲田電鉄会社および東京横浜電鉄会社技師長の大河内甲一氏が1月16日逝去。明治30年東京帝大を出て鉄道作業局に入り、欧米出張、房総線建設所長、監督局、鹿児島建設事務所長などを歴任、特に矢岳トンネルの難工事を完成して知られた。その他経歴ほか。
信濃川発電所建設所長に誰が新任されるか
新潟県]鉄道省信濃川発電所は幾多の波瀾曲折を経て旧臘逓信省より正式に施工認可され、水路トンネルその他の第一期工事着手に先立って建設事務所を新設することとなっている。この事務所長の人選については第二改良事務所長池田氏の名前があがっている。
日銀の大金庫第一回発送終る
日本銀行からの発注で地下室大金庫材料製作中であったヨーク金庫及錠機製作会社、7日にその第一回発送を開始したが、同社創設以来空前の大規模なもので、その重量2000トンにのぼり、最大貨物車34輛で戦争のような騒ぎで積込みバルチモア港に向け発送した。同港からパナマ経由日本へ直送するはず。残りの部分は3月いっぱいに仕上げる。第5巻第6号第7巻第1号参照。
日月潭水力の地質調査に渡台
逓信省電気局野口水力課長は台湾電力の計上せる日月潭水力発電所建設に関する実地調査のため2日午前東京駅を出発、現場に向かった。主に貯水池および濁水渓の含有土砂について研究するため。すなわち濁水渓の水を取ることによって貯水池の土砂沈澱の結果を誘うことになりはせぬか、またコンクリート建造物の徹底的完全を期する点などに渡るもの。
セメント混合水の漏洩を防ぐテープ
従来工事会においてはコンクリート工事の堰板の継目合わせ目からセメント混合水がもれることについては完全な防止は不可能視されていた。ところがかねてオーストリアグンミウェルク会社の製造に係るデュヒラットテープについて研究を重ねていた大杉工学士、ついにコンクリートテープを完成した。このテープは完全に漏れを止めることができ、一流請負者および官庁筋が試用の結果も良好で、セメント操作上の大発明とまで折り紙がついたとのこと。
時代錯誤か木製の汽車
鉄石炭万能時代も終わりに近づいたのではあるまいかと思われる今日になって、これはまた後端的と呆れるニュースがオレゴン州の山林地方から。ここの汽車はほとんど全部木製で機関車の大部分を始め枕木レールまで木でできている。大量の材木を運ぶ必要があり、一方で一年のうち3カ月気候の関係で休まなければならない関係上、この汽車を使えば一年中運び得るのみならず、1000フィート3ドルかかっていたのをわずか50セントに引き下げることができるということで運搬費の点でも非常に経済的。レール敷設はすこぶる簡単で普通の道路の上にじかに枕木を並べ、レール止めも直接土に行なわれている。もっともこのような設備でスピードを出すことはできないが、木材運搬には荷車より早い程度で沢山、大量を輸送し得る点と運搬費の廉価さである点が喜ばれている。(第6巻第5号に鉄筋コンクリート製貨車の話題)
伯林紐育間を六時間で
海外]有名なドイツのユンケル会社は6時間足らずでベルリンとニューヨークを飛行する飛行機を目下製作中。これは飛行機技術の発達もあるが3万5000フィート以上の上空の空気希薄な所を飛行するためにできることで、1分12マイル、1時間700マイルを飛ぶそうである。最近公にされたデザインによるとジュラルミン製で別にこれまでの機と変わった点はなくランディングギヤは離陸すれば翼の下に折り畳まれて空気抵抗を減じるように工夫されている。離陸すれば機はただちに45度の角度で3万5000フィートの上空に昇り、希薄な空気のなかで作用するようにデザインした特別のプロペラで1分12マイルの割合で飛ぶ。操縦者の席は高空の低温に対して二重に覆われている。なおプロペラの翼は鋭いピッチで幅が広く1枚ではなく4枚である。

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