!!!第10巻第5号 昭和9年5月発行 (1934年) 《 第10巻第4号 |第10巻第6号 》 http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/10-05/10-05-1987.pdf http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/10-05/10-05-1992.pdf !〔以下(1)(10-05-1987.pdf)〕 ::高田貞一氏 :::秩父のアーチ橋、戸田橋の設計施工に当った埼玉県技師・高田貞一氏が兵庫県へ異動。 ::山本卯太郎氏 :::我が国における可動橋工学の権威の一人、かつ有力な業者であった大阪山本工務所の山本卯太郎氏が4月20日午前11時逝去。享年45才。本誌へも可動橋についての有益な寄稿多数、名古屋工高では教鞭も取られていた氏は異常な活動家であっただけに保守的な我が土木工学会ではずいぶん反対者もあったらしいが、いずれにせよ我が国における可動橋の発達に尽くされた功績は誰しも認めるところ。 :::第6巻第2号、第7巻第5号、第7巻第10号に関連報。 :::第5巻第2号「工事改善の緊要問題に対する各家の意見」http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/05-02/05-02-0972.pdf :::第6巻第5号「徳島市に架せられた最新式跳上橋」http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/06-05/06-05-1242.pdf :::第6巻第6号「産業都市の発達と可動橋の現代性」http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/gaho/kenchikukouji/06-06/06-06-1252.pdf :::土木学会誌第十四巻第六号(昭和3年12月発行)「鋼索型跳上橋の一考案」http://library.jsce.or.jp/Image_DB/mag/m_jsce/14-06/14-6-11741.pdf ::軍人会館建築概要 :::昭和7年2月、懸賞募集の結果1等に当選した小野武雄氏の設計案により着手した同建物(東京九段下)、3月20日に完工し同25日に落成式。本号口絵ならびにこのページ掲載の写真に見られる通り、日本式を加味せる特殊様式。敷地面積1776坪、建て坪1034坪余、延べ坪4377坪余り、鉄骨鉄筋コンクリート造地階付4階建。講堂、集会所、ホール、宿泊室等が設けられている。 ::大阪国技館建築決定 :::[大阪府]東京国技館を凌ぐ一大国技場を建設すべく計画中のところ、いよいよ東京麹町区幸ビル旭土地工業株式会社の投資によって建設し、改めて関西相撲協会に貸与することに決定した。建設地は大阪市旭区菫の荘地内敷地約5万8000坪のうち5000坪に建設せんとするもの。既に実施設計は丸ノ内葛西田中建築事務所でこのほど完成し、目下起工準備中である。なお入札については東京において施行すると云っているが、何しろ総工費800万円の巨額に上る大工事であるだけにその間の暗躍を考慮してあるいは競争入札に附せず特命施工となるのではないかと見られている。着工は本年秋頃、工期は約2カ年の予定。同国技館のスケールは鉄骨鉄筋コンクリート造4階建、中央を大ホールとする延4000坪の近代味豊かなもの。最も特異とするところは同屋上を飛行機発着所とすることで、これは最近特に重大化した航空事業の将来に鑑み大都市の中心地にこれが発着所の必要を認めたもので、我国としては最初の設備であり、設計者葛西博士も同設計には多大の苦心を払ったとのこと。 !〔以下(2)(10-05-1992.pdf)〕 ::日暮里・南千住間高架改築 :::[東京府]常磐線日暮里南千住間高架軌道改築の新規様式が決定。すなわちスラブ式を廃してケーソン式により、橋脚は鉄筋コンクリート、橋は鉄桁で1連70尺程度のものを使用するものですべて橋梁にならった高架としては新様式のものである。延長は4キロで全線を四工区に分け、まず三河島駅を中心とする1キロのものが第一工区として着手される予定である。 ::有楽座新築 :::日比谷東宝劇場前敷地に新築される小林一三氏の有楽座について。過般阿部美樹志博士に依頼した設計が完了し、竹中工務店と工費について折衝中であったが、だいたい50万円内外で折り合いがついたので所轄署に建築認可方を出願。認可され次第着工のはず。鉄筋コンクリート造5階建て、延べ約1500坪、和洋折衷の落ち着きある劇場になるはず。 ::高山駅新築 :::[岐阜県]今秋全通する高山線飛騨高山駅構内の各工事はすでに竣功、目下プラットホームの工事中。駅舎は5月早々請負入札に附し、ただちに着工、8月までに竣工の予定。新粧高山駅屋上は特殊の構造を施し展望台を兼ねたものとなる設計、工費は約10万円の見込み。 ::鹿児島港改修工事 :::[鹿児島県]工費300万円と9カ年の歳月を要した鹿児島港改修工事は5月いっぱいで竣工する見込み。内務省では5月24日午前10時から鹿児島市洲崎町修築事務所側広場で官民500名余を招待して盛大な竣工式を挙行することに決定した。 ::岐笠国道竣工 :::[岐阜県]岐阜市および羽島郡笠松町に達する岐笠国道(延長4408m)は工費50万円をもって内務省直営工事として施工中のところ、このほど完成したので4月16日午前10時から新国道荒川鉄橋上にて竣工式を挙行、辰馬名古屋土木出張所長、宮脇県知事、田中内務事務官その他多数参列、希有の盛況であった。 ::矢作川の三橋架替 :::[愛知県]矢作川改修に伴って地域内にある米津、上塚、中畑の三橋梁も架替することとなり、愛知県土木部で設計を急いでいる。三橋梁とも愛知県初の鋼[金+反]桁連繋ゲルバー式とし、亜総工費10万円。各橋梁の延長は米津川267m、上塚橋452m、中畑橋289m。幅員いずれも5m50。 ::敦賀港鉄道桟橋改築 :::[福井県]名古屋鉄道局は敦賀鉄道桟橋の一大改築をするため昨年来港内の波浪と桟橋の影響その他について調査中のところ一段落を告げ、なお地元の敦賀保線事務所石田技手の手元で作成中の工事設計も出来上がったので、いよいよ本月(5月)上旬着工し、今秋11月末竣工の予定。総工費は約20万円で、設計案概要は現桟橋に比し延長16m増し、205m、幅76となり、桟橋付近の浚渫によって水深9mを増し、6000トン級の汽船4隻(現在3000トン3隻)の繋船能力をもつこととなる。竣工の暁は日満欧亜の関門港として完備せる大桟橋が実現するわけである。 ::鹿乗川改修工事起工 :::[愛知県]碧海郡安城矢作桜井の二町一ケ村1300町歩の灌漑用水である鹿乗川の改修工事について。昭和7年から5カ年継続事業として総工費100万円計上、主務省の認可を得て着工したものの。昨8年突然一部受益間に反対運動が起こり、一時頓挫の状態に陥った。当局の調停で円満に解決し、いよいよ5月早々着工に決定、5月4日午前10時から地鎮祭、午後1時から起工式を予定。 ::三菱銀行増築 :::三菱銀行本店の増築工事は本社地所部建設課で設計完了し4月24日大林組特命と決定。工事予算500万円、鉄筋鉄骨コンクリート地上5階建地階1階延べ面積4200坪で近く着工の予定。 《 第10巻第4号 |第10巻第6号 》